2019年4月から年5日の年次有給休暇(年休)を労働者に取得させることが
使用者の義務となりました。
ここで、改めて法改正後の年休の取扱いについて確認しましょう。
◆Q:使用者の義務とは?
A:・年休が10日以上付与される労働者が対象
(管理監督者、パート労働者も含みます)
・付与した日(基準日)から1年以内に5日取得させる
※法定の基準日より前に付与した場合であっても
付与日数が10日に達した日が基準日となります。
例1)4月1日入社→10月1日(10日付与)⇒10月1日が基準日
例2)4月1日入社→4月1日(10日付与)⇒4月1日が基準日
例3)4月1日入社→4月1日(5日付与)→7月1日(5日付与)
⇒7月1日が基準日(但、7/1までの取得日数も5日に含める)
・労働者が自ら取得しない場合は「時季指定」「計画年休」の
いずれかで取得させる
・有給管理簿を作成して3年間保存(賃金台帳の調整やシステム上の
管理でも可)
◆Q:確実に取得させる為の方法とは?
A:①使用者からの時季指定
例1)基準日から一定期間経過したタイミング(半年後など)で
5日未満の人を対象に取得日を指定する
例2)過去の取得実績が著しく少ない人を対象に計画的に指定する
※時季指定を行う場合は就業規則に記載が必要です。
※取得日数が5日に達した時点で、使用者による時季指定はできなく
なります。
②計画付与
・付与日数のうち5日(労働者が自由に取得できる日数)
を除いた日数が対象
・夏季や年末年始、休日の谷間、閑散期等に計画的に付与する
※計画年休の導入には就業規則への規定と労使協定の締結が必要です。
◆Q:時間単位年休とは?
A:年5日の年休付与義務の対象日数には含まれませんが、
より短い単位での有給休暇が付与できるため、
働きやすい環境の整備に有効な制度です。
・労使協定を締結すれば、年5日を限度として時間単位で付与
(分単位は不可)
・1日分の時間数は所定労働時間数を基に定める
(時間未満の端数は切り上げ)
・労使協定は事業所単位のため、制度になじむ支店等のみの導入も可能
・労使協定において、制度になじまない業務については
対象外とすることが可能(取得目的による制限は不可)
・半日有給とは異なる制度のため、半日有給を取得しても
時間単位有給に影響しません。
以上を踏まえて、正しく有効な年休管理を行いましょう。
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