BLOG

専門家によるブログ

人事・労務ブログ

定額残業代 正しい運用のポイント

記事作成日2019/12/09 最終更新日2019/12/09

X
facebook
copy

定額残業代の導入と問題点

近年、残業代の不払い防止や人件費の圧縮、平準化の目的で「定額残業代」を採用する企業が多くなっていますが、運用方法が適切でないために思わぬトラブルとなるケースも多くみられます。

正しい運用のポイント

これらのトラブルを防ぐためには、以下の要件に注意して運用することが重要です。

〈要件1〉
就業規則や雇用契約書において、賃金に定額残業代(時間外労働、深夜労働、休日労働の割増賃金)を含むことを規定すること。

〈要件2〉
定額残業代部分と通常の賃金(基本給等の金額)が明確に区別されていること。また、定額残業代に含まれる時間数や金額と計算方法についても明示していること。

例)基本給 20万円(1か月所定160hのとき)20万円÷160h×1.25×30h=46,875   (この額を下回らないように)
定額残業代30h分 47,000円(1,000円単位に切り上げ)

〈要件3〉定額残業代に含めた時間数を超えた分については、別途差額を支払うこと及びその合意ができていること。

特に、最近の裁判例では、使用者からの十分な制度説明が必要とされ、定額残業代の内容は実態に近いことが求められています。また、労働基準法の改正により、一か月の残業時間の上限は45時間となりました。今後定額残業代を適正に運用するには、正しい時間管理と時間外労働時間削減に向けた効率化の推進が必要といえます。


 いずれのケースも労働条件の不利益変更となる場合があるため、慎重な検討が必要です。定額残業代の適正な運用については、ぜひTOMA担当者までご相談ください。


★TOMAの人事・労務サービス → https://toma.co.jp/service/human/