労働保険料の申告と納付手続
労働保険とは、労災保険と雇用保険の総称をいいます。労災保険は雇用形態に関わらず全労働者に適用される保険で、雇用保険は一定の条件を満たし雇用保険に加入した被保険者に対する保険となっています。
その保険に対する労働保険料は、毎年4月1日から翌年3月31日までの期間で、労働者(雇用保険については被保険者)に支払われる賃金の総額に、その事業の種類ごとに定められた保険料率を乗じて算定します。
保険料は「先払い後精算」の仕組みとなっているため、事業主は前年度の申告済概算保険料を精算するための確定保険料の申告・納付と、新年度の概算保険料を納付するための申告・納付の手続きを行います。これを「年度更新」といいます。
労働保険料の猶予納付の特例について
本年度は、新型コロナウイルスの影響により、収入が大幅に減少している方に向けて、納税の猶予措置が講じられています。これにより、例年7月10日までの年度更新期間が、例外的に8月31日まで、となります。また所定の要件に該当する場合は、納税の特例猶予が適用され、最長で1年間、納税が猶予されます。
特例猶予が認められると、猶予期間中の延滞税は全額免除されます。また申請にあたり担保の提供は不要です。申請方法は所轄の都道府県労働局に「労働保険料等納付の猶予申請書(特例)」を納期限(8月31日)までにご提出ください。
雇用保険料免除廃止と電子申請義務化
平成29年の改正により、雇用保険の年齢加入要件が廃止され、適用範囲が拡大されました。これに伴い、64才以上の雇用保険料免除が経過的に廃止されることになりました。今年度の概算保険料よりこの経過措置が完全に廃止され、被保険者全員からの徴収となりました。また、今年度より特定の法人は電子での申請が義務付けられています。
現在対象外である中小企業でも今後の電子申請義務化に向けて、準備を進めていく必要があります。電子申請の義務化は、「令和2年4月1日以後開始する事業年度(課税期間)」から適用されることとなります。
TOMAでは電子申請や給与計算に関するアウトソーシング業務のご依頼を承っています。お気軽にお問い合わせください。