医療現場のデジタル化を一層深めるため、厚生労働省は「医療DX推進体制整備加算」の算定要件を2025年10月より改定しました。これにより、現在加算を算定している医療機関でも、対応が遅れると加算の算定が困難になる可能性があります。本稿では、この見直しの主なポイント、医療機関として取るべき対応を整理します。
なお、制度の創設時や2025年4月の改定内容については、以下のブログでも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください
「見直された点数や届出について解説! 医療DX推進体制整備加算についてご紹介」
「医療DX推進体制整備加算とは? 2025年4月からの変更点やその背景などを解説」
なぜ今「医療DX推進体制整備加算の見直し」が重要なのか?
2024年から2026年にかけて、医療DX推進体制整備加算の要件が大きく見直されています。
そして、医療DXへの取り組みは診療報酬に直結する評価項目となっており、マイナ保険証の活用や電子処方箋・電子カルテ情報共有サービスの導入など、体制整備の実態が診療報酬に反映されるようになったことで、対応が遅れると加算が取れない=収入が減るという状況が現実化しています。
特に中小規模のクリニックや薬局では、制度変更に追いつかず、知らないうちに加算が消失していた…というケースも出始めています。そこで今回は、最新の見直しポイントを整理しつつ、今からできる対応策をご紹介します。
2025年10月からの要件の見直しについて
医療DX推進体制整備加算は、下記の3点を軸として見直されました。

ポイント① マイナ保険証利用率実績要件のさらなる引き上げ
前回よりマイナ保険証利用率が引き上げられ、25%以上でなければ医療DX推進体制整備加算を算定することはできなくなりました。(2024年10~12月は5%、2025年1~3月は10%、2025年4月~9月は15%以上でした)
ポイント② 電子カルテ情報共有サービスに関する要件の経過措置が2026年5月31日まで延長されました
加算1~3には施設基準に電子処方箋管理サービスに処方情報を登録できる体制を有していることとする要件が盛り込まれています。
電子処方箋を導入していない場合は加算4~6が該当することになります。
ポイント③ 「小児科特例」について、対応を継続
小児科で2025年10月以降に加算3又は加算6を算定する場合、延べ外来患者数のうち6歳未満の患者の割合が3割以上の保険医療機関は、マイナ保険証利用率が25%以上ではなく22%以上で算定できます。
今からできる対策と準備
オンライン資格確認の環境整備
すでに導入済みの医療機関も多いとは思いますが、まだの施設は早急に導入を進める必要があります。 既に導入済みの場合も電子カルテや周辺システムのベンダーと早めに相談し、必要なアップデートや改修のスケジュールを確保しておきましょう。
マイナ保険証利用促進の院内対策
受付スタッフによる声かけ、ポスター掲示、患者向け説明の工夫など、マイナ保険証利用率を高める工夫も始めておきましょう。
ここでTOMAの実例をご紹介します。
マイナ保険証利用率が芳しくない薬局で下記の対策を行いました。
・受付スタッフがすべての患者に「マイナ保険証をお持ちですか?」と声掛けを実施。
・マイナ保険証のメリットがわかるものを印刷して視覚的にわかりやすく説明
上記のことを徹底して行ったところ、マイナンバーカードを提示して下さる方が何名もいらっしゃったとのことでした。スタッフの方も忙しく、ついつい声掛けを飛ばしてしまう場合もあると思いますが、情報共有とルールを浸透させることでマイナ保険証利用率は増やすことができます。
小さなことですが積み重ねると大きな違いが出てきますので、ぜひ今一度見直してみてはいかがでしょうか。
スマートフォンのマイナ保険証利用の機器の準備
2025年9月19日からスマートフォンをマイナ保険証として利用できるようになりました。
現在のオンライン資格確認端末だけでは、スマホ読取に対応しないため、汎用のICカードリーダーを資格端末につなぐ必要があります。(メーカーによってカードリーダーが追加不要のものもあり)
汎用カードリーダー自体はそれほど高価ではないですが、資格端末とカードリーダーには相性があるようですので事前にベンダーに確認が必要です。
新規に、汎用カードリーダーを購入する医療機関等に対して、2026年1月31日を期限として、Amazonビジネス(医療機関・薬局向け汎用カードリーダー購入サイト)からクーポンを利用することにより補助分の割引が適用されます。
クーポン番号は、医療機関向け総合ポータルサイトで発行されます。なお、上限額が設定されておりますのでご留意ください。

スマートフォン決済の広まりにより、財布を持ち歩かない人が増えています。そうした方々のニーズに応えるためには、ベンダーと協力し早期対策が必要になります。
まとめ
医療DXは一過性の施策ではなく、今後の診療報酬体系の大きな柱のひとつです。対応が遅れると、加算を失い、積み重なると収入に大きく影響します。
本制度は頻繁に改正がありますので、制度の要件や適用時期を正しく判断し、計画的に活用していくことが求められます。ご不明な点がありましたら医療業界に精通した弊社まで是非お問い合わせください。
ご相談は以下の無料相談・お問合せよりご連絡ください。

