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個人開業医の承継・廃業

記事作成日2016/11/08 最終更新日2016/11/08

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医療機関の承継・廃業にはどのような手続きや注意が必要でしょうか。一口に医療機関といっても、個人医院と医療法人では対応が異なります。今回は個人医院に着目して解説します。

廃業の場合

①所轄官庁への届出
診療所を廃止した場合には、廃止後10日以内(廃止日から起算します)に廃止届を所管官庁へ届け出ます。

②医院の土地・建物の取り扱い
医院の土地・建物を院長が所有している場合には、売却・賃貸・または自宅等として引き続き使用することになります。
譲渡の場合には、譲渡所得の申告が必要になります。課税事業者である場合、建物は譲渡価格が消費税の課税対象となりますのでご注意ください。
賃貸の場合には、受け取った家賃に対して不動産所得の申告が必要です。

承継の場合

①廃業・開業の届出
個人医院では、承継の場合でも、前医院を一旦閉じた上で新たな医院を開設するという扱いになります。すなわち、前医院は廃業となるため、前院長が廃止届等を提出する必要があります。
一方、新院長にとっては新規開業になりますので、保健所等に開設届等の提出が必要です。それに伴い、レセプト番号も変わります。その他、税務署等にも廃業・開業に伴う届出が必要です。

②医院に属する資産の取り扱い
譲渡の場合、前院長が譲渡所得の申告をすることとなります。課税事業者の場合には消費税にも留意してください。贈与・相続の場合は、新院長に対して贈与税・相続税が課されます。
また、新院長に賃貸する方法もあります。賃貸する場合、前院長と新院長が生計を一にしているかどうか、家賃相当額を受け取っているか否かにより、所得計算や財産評価額が変わってくる場合があります。

ここに挙げた他にも、承継・廃業には様々な準備が必要となります。まずは信頼の置ける専門家にご相談されることが大切です。