■給与所得控除から基礎控除への振替
働き方の多様化を踏まえ、働き方改革を後押しする等の観点から、特定の収入にのみ適用される控除から、どのような所得にでも適用される基礎控除へと振り替えます。
これは、2020年分以後の所得税について適用されます。
■給与所得控除の概要、及び見直しについて
給与所得控除とは、会社員など給与収入のある方が、所得税を計算するために必要な給与所得を算出するために、給与収入から控除されるものです。
給与所得控除は、給与の収入金額に応じ、概算で控除額を計算します。
給与所得控除は、2019年までは、220万円を控除額の上限としていましたが、2020年より、給与収入が850万円を超える場合の控除額を195万円に引き下げ、850万円超から徐々に納税の負担が増えることとなります。
ただし、23歳未満の扶養親族や特別障害者である扶養親族等を有する者等に負担増が生じないようにするため、「所得金額調整控除」を設けることとなりました。
■改正の趣旨
・給与所得控除の見直し
勤務関連経費や諸外国の水準と比べ過大となっているとの指摘を踏まえ、「控除額を主要国並みに漸次適正化する」との方針の下、見直しを進めることとなります。
・所得金額調整控除
子育て・介護世帯などの一定の給与所得者には、上限額の引き下げによる負担増が実質的に生じないようにするため、創設されました。
■所得金額調整控除の補足:夫婦両方が年収850万円超の場合は、両方とも適用可能
例えば、会社員A(年収1,000万円)と、その配偶者である会社員B(年収950万円)に、扶養親族である23歳未満の子が1人いる場合の、所得金額調整控除の額は、
①会社員Aの所得金額調整控除:(1,000万円-850万円)×10%=15万円
②会社員Bの所得金額調整控除:(950万円-850万円)×10%=10万円
上記を踏まえ、所得控除の合計は、
①会社員A:給与所得控除195万円+所得金額調整控除15万円=210万円
②会社員B:給与所得控除195万円+所得金額調整控除10万円=205万円
となります。
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