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医療法改正による医療機関ウェブサイトの見直し

記事作成日2018/07/10 最終更新日2018/07/10

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◆ウェブサイトも広告の対象へ

 平成29 年6 月14 日公布・平成30 年6 月1 日施行の医療法改正において、医療に関する広告規制の見直しに関する事項が追加され、「広告の定義」と「広告の定義に記載した限定的に認められた事項」が改正されました。これにより、今まで医療に関する広告規制の対象外とされてきたウェブサイトが広告の対象として取り扱われることになりました。具体的にどういった改正がなされたのでしょうか。

◆広告の定義とは

 改正前の医療における広告の定義とは以下のとおりでした。
・誘因性…患者の受診等を誘引する意図があること
・特定性…医師や診療所等の名称が特定できること
・認知性…誰でも認知できる状態であること
 今回の改正では「認知性」が広告の定義から取り除かれました。ウェブサイトは閲覧者が自発的に検索することにより辿り着くものであり、認知性を満たさないとして広告として取り扱われてきませんでしたが、認知性が要件から外れたことにより医療法に定める広告として規制の対象となりました。そのためウェブサイトの内容が広告規制にかかるものでないか、早急な見直しが必要となります。

◆広告の定義に記載した限定的に認められた事項(限定解除)

 ウェブサイトが広告規制の対象となる一方で、広告できる事項を限定することで、患者が求める情報の提供が妨げられてしまう恐れが出てきました。そのため以下の4 つを満たす場合に限り広告可能であると限定的に定められています(3 と4 については自由診療の場合のみ)。

1. ウェブサイトのように患者が自ら求めて入手する情報であり、医師等が自院について医療の適切な選択に資する情報を提供しようとするものであること
2.問い合わせ先の記載等により、内容の照会が容易であること
3.自由診療について内容・費用等の情報を提供すること
4.自由診療に係る治療等に係るリスク・副作用等の情報を提供すること

 ウェブサイトが広告規制の対象となることで、今までの「医療機関ホームページガイドライン」は「医療広告ガイドライン」に一本化され、より厳しい基準を求められます。一方で限定解除の考え方に基づいて適正な情報提供を行うことができれば、ウェブサイトは有力な広報ツールとなります。これを機に自院のウェブサイトの全体的な見直しをしてみてはいかがでしょうか。