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今回は、公益法人へ寄附をした法人を対象とする優遇税制である寄附金税制についてご紹介させていただきます。
寄附金税制は、寄附を受ける公益法人が直接に税制上のメリットを得られるものではありません。
しかし、公益法人にとって、寄附をする法人や個人からの寄附を募りやすくなるという利点があります。
以下、法人が公益法人に寄附をした場合の優遇措置について①概要②計算方法③具体例④注意点の順にご説明いたします。
①概要
法人税法において、法人が支出した寄附金のうち、損金として認められる部分は一部分のみです。
法人税法上損金として認められる部分の金額を、損金算入限度額といいます。
法人が、公益法人(※1)へ寄附をした分については、他の一般の寄附(※2)をした場合に比べて、
損金算入限度額が多くなっているのです。これは、法人が納める税額の減少効果をもちます。
(※1)公益社団法人・公益財団法人は、全て特定公益増進法人となり、寄附金優遇措置の対象となります。
(※2)一般の寄附とは、以下のいずれにも該当しない寄附となります。
イ.国・地方公共団体に対する寄附
ロ.財務大臣が指定した寄附
ハ.特定公益増進法人(※2)に対する寄附
ニ.認定NPO法人等に対する寄附
②計算方法
損金算入限度額の計算方法は、下記の通りです。
A一般の寄附をした場合
(資本金等の金額×当期の月数/12×2.5/1,000+所得の金額(注)×2.5/100)×1/4
B特定公益増進法人等に対する寄附
(資本金等の金額×当期の月数/12×3.75/1,000+所得の金額(注)×6.25/100)×1/2
注 :この所得の金額は、法人が支出した寄附の額を損金の額に算入しないものとして計算します。
参考:上記イ・ロの寄附については、全額が損金として認められます。
③具体例
平成29年7月1日-平成30年6月30日の事業年度で、資本金等の額が1億円、所得金額が1,000万円の法人が、100万円の寄附を行った場合(寄附支出後の所得900万円)はどうなるでしょうか。
A一般の寄付の場合
損金算入限度額:100,000,000円×12/12×2.5/1,000+10,000,000×2.5/100)×1/4=125,000円
B公益法人等に対する寄付の場合
損金算入限度額:100,000,000円×12/12×3.75/1,000+10,000,000×6.25/100)×1/2=500,000円
Aの場合とBの場合を比べると、法人が公益法人等に寄附をした場合の方が、
375,000円多く損金算入することが可能です。
実効税率を35%と仮定すると、税額にして131,250円下げる効果を持ちます。
④注意点
以上、公益法人以外の法人が、公益法人へ寄附した場合をご説明してまいりました。
公益法人が、寄附をした場合については計算方法が異なりますので、ご注意ください。
次回は、公益法人等が寄附をした場合の、寄附金の損金算入限度額についてご説明します。
TOMAコンサルタンツグループ㈱では、公益法人に精通した公認会計士が、ご相談を承ります。個別相談会も実施しておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。