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公益事業を行う者への遺贈を巡る課税関係 ~法人への相続税課税~

記事作成日2018/04/20 最終更新日2018/05/21

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春風の心地よい季節になりました。

公益法人では3月決算の法人様が多いので これからが1番忙しい季節ではないかと思います。

2月、3月とこちらのブログで個人から公益法人等への「遺贈」に関する相続税の非課税財産、譲渡所得税の非課税についてお伝えしてまいりました。

今回は、遺贈を受けた公益法人等の相続税の課税についてお伝えしていきたいと思います。

 

相続税の納税義務者は、遺贈または相続により財産を取得した個人と定められており、法人が遺贈を受けた場合については、原則として相続税の納税義務者とはなりません。

しかし、例外として持分のない法人に遺贈し、その遺贈により遺贈者の親族等の相続税負担が不当に減少すると認められる場合は、その法人を個人とみなして、相続税を課税するといった決まりがございます。

 

持分のない法人には、学校法人、社会福祉法人、宗教法人等があり、公益社団法人、公益財団法人もこれに含まれます。

 

それでは親族等の相続税負担が不当に減少するとは、どういった意味なのでしょうか。 例えば、遺贈を受けた法人の役員が遺贈者の親族である場合、いったん遺産を法人に寄付した後、遺贈者の親族である役員に多額の役員報酬を支払えば、相続税の負担をなくしつつ、財産を移転できる事となります。

こういったケースに規制をかける為、相続税等の負担が不当に減少する場合に遺贈を受けた法人について、相続税課税を行うと決められているのです。

 

法律上においては、遺贈を受けた法人が以下の4つの要件を満たした場合、相続税等の負担が不当に減少するとは認められないと定められています。

 

① その運営組織が適正であるとともに、その定款において、その役員等のうち親族関係を有する者及びこれらと一定の特殊の関係がある者の数がそれぞれ役員等の数のうちに占める割合が、いずれも1/3以下とする旨の定めがあること。

 

② 遺贈者、当該法人の設立者、社員若しくは役員等又はこれらの者の親族等に対し、施設の利用、余裕金の運用等、財産の運用及び事業の運営に関して特別の利益を与えないこと。

 

③その定款において、法人が解散した場合にその残余財産が国若しくは地方公共団体又は公益法人その他の公益を目的とする事業を行う法人(持分の定めのないものに限る)に帰属する旨の定めがあること。

 

④その法人につき法令に違反する事実、その帳簿組織に取引の全部又は一部を隠蔽し、又は仮装して記録又は記載をしている事実その他公益に反する事実がないこと。

 

公益法人等が遺贈を受ける場合、以上の要件を満たし、相続税の課税対象とならない事を確認する必要がございます。

公益法人等に対する遺贈については、お伝えしてきましたとおり所得税、相続税など様々な税金が関係してきます。

 

TOMAコンサルタンツグループには、公益法人等に精通した税理士・公認会計士がおりますので、いつでもお気軽にご相談ください。