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電子帳簿保存法における仕入税額控除について

記事作成日2021/08/13 最終更新日2021/08/25

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電子帳簿保存法とは

電子帳簿保存法とは、

①国税関係帳簿書類の電磁的記録による保存等
②国税関係帳簿書類のCOMによる保存等
③スキャナ保存制度
④電子取引の電磁的記録の保存

について定めた法律です。この法律によって電子取引の保存制度下の仕入税額控除についてどのような影響が出るのか説明いたします。

電子取引の保存制度 データの書面出力保存で仕入税額控除について

令和4年1月から電子取引の保存制度は改正となりますが、インボイス制度開始までは消費税の仕入税額控除の要件に変更はありません。そのため、紙の請求書等の保存が必要になりますが、電子取引に係る請求書等データのみを受領した場合も、一定の帳簿保存により仕入税額控除が認められます。

電子取引により買手側が売手側から請求書等のデータのみを受領し、電子データで保存している場合も、紙の請求書等の交付を受けなかった「やむを得ない理由」に当てはまります。売手側から請求書等のデータが交付された場合、紙の請求書等は作成・交付されないことになり、買手側は、そのデータ以外の保存が行えないためです。

このため、法定記載事項に加えて、その「やむを得ない理由」及び「課税仕入れの相手方の住所等」を帳簿に記載して保存しておけば、紙の保存がなくても仕入税額控除の要件を満たすことができます。

電子帳簿保存法における電子取引の保存制度の要件を満たしていない場合の取扱いについて

改正電子取引の保存制度への対応が間に合わなかった場合、原則としては、請求書等のデータのみを受領した場合には,請求書等の交付をうけなかったことにつき「やむを得ない理由」がある場合に該当し、そのデータを保存しておけば、一定の帳簿保存により仕入税額控除が認められます。この場合のデータ保存については、電子取引の保存制度の要件を満たしていなかったとしても、仕入税額控除が認められます。

法人税及び所得税では青色取消し等のリスク

令和4年1月までに対応が間に合わなかった場合、法人税及び所得税においては、青色申告の承認の取消しになる可能性があります。ただし、違反の程度等を勘案して総合的に検討されます。

まとめ

◎紙の請求書等の保存が必要となりますが“やむを得ない理由”がある場合は不要です。(この「やむを得ない理由」による方法は、法定記載事項に加え、やむを得ない理由及び課税仕入れの相手方の住所又は所在地を帳簿に記載して保存することが要件となっています。)

◎電子データの保存については、電子取引の保存制度の要件を満たしていなかったとしても、一定の帳簿保存によって仕入税額控除が認められます。

◎消費税法上、仕入税額控除が認められたとしても、電子帳簿保存法に違反し、青色申告取消し等のリスクがあるため注意が必要です。


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