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GoToトラベルを使った出張経費の計上方法 

記事作成日2020/11/20 最終更新日2021/10/13

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会社のGoToトラベル(以下、「GoTo」)の利用時の経理処理についてご説明したいと思います。

GoToトラベルを利用したビジネス出張

2020年7月22日からスタートしたGoToですが、11月6日以降販売分についてはビジネス出張を目的とする宿泊等には利用制限がかかるようになりました。しかしながら、7月からの4か月弱の間にGoToを利用した出張があった法人もあるかと思います。

GoToの利用により支払額が少なくなりますが、この場合はどういった経理処理になるのでしょうか。具体的な金額の例を挙げてみていきましょう。

GoToトラベルにおける経理処理の具体例

会社の出張で22,000円(税込)のGoToトラベル対象の旅行商品を購入したとします。

この場合、旅行代金の35%相当である7,700円が補助され、会社としては差引14,300円を旅行業者に支払うことになります。会社としては、現金支出が少なくなったので、旅行代金が値引きされたように見えますが、旅行代金の一部を国が補助しているという仕組みなので、旅行代金そのものが値引きされているわけではありません。

この場合の消費税の課税関係について国税庁は、「旅行業者が販売する旅行商品の対価の額は変わらず、旅行代金の全額が消費税の課税対象になる」との見解を示しています。(※税務研究会の取材による)

よって会社としては出張経費として費用計上する額は22,000円(税込)となります。

【仕訳例】

1.旅行代金支払い時

旅費交通費 20,000円  /   現金 22,000円
仮払消費税等 2,000円 /

2.GoTo補助分受取時

現金 7,700円 / 雑収入 7,700円(不課税)

また、この出張経費を従業員が立替ており、後日従業員に対して立替分を支払う場合には以下の2パターンの処理が可能です。

〇GoToで充当された7,700円について・・・

(1)従業員との間でGoTo充当分を含めて精算するパターン

旅費交通費 20,000円  /   現金 22,000円
仮払消費税等 2,000円 /

(2)従業員との間でGoTo充当分を精算しないパターン

旅費交通費 20,000円  /  現金 14.300円
仮払消費税等 2,000円 /  雑収入 7,700円(不課税)

GoToトラベル補助分の給与課税の問題

上記(1)(2)で従業員に対して支払う金額が異なります。
(1)で精算をする場合には、GoToで充当された7,700円分を従業員がもらうかたちになります。

しかし、冒頭でお伝えした通り、GoToの旅行代金の充当は値引きではなく国からの補助分を差し引いているだけなので、出張旅費そのものが「通常必要」な経費の範囲内であれば、精算した額の全額(22,000円)が所得税法上非課税となり、GoTo補助分の7,700円を含めて精算したとしても、給与課税の問題は生じません。

この「通常必要か否か」については社内の出張旅費規程を基準に判断していくことになります。

自社の経理処理を見直し、ご不明点や疑問点等あった際にはぜひ専門家にご相談ください!

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