平成29年度の税制改正により、法人税の申告期限の延長特例が拡大されることが決まりました。株主総会期日の分散化や株主との充実した対話の促進を図ったものであり、申告期限を最大で「事業年度終了日の翌日から6か月後」とすることができる可能性もあります。
◆現在の法人税の申告期限について
現行制度(平成28年度)において、法人税は、決算日から2ヶ月以内に申告することが定められています。また、法人税は申告期限の延長の特例により、一定の理由があれば申告期限を1ヶ月延長することも可能です。これは、「株主総会は決算日から3か月以内に開催すればよい」という会社法上の規定と整合させるために認められた規定です。
ちなみに、申告期限の延長は認められていても、納付期限の延長は認められていないため、納税に関しては、決算日から2ヶ月以内に見込納付をして、その後確定した決算をもとに差額を精算することになります。
◆日本と諸外国との比較
上記のような日本の法人税の申告期限制度ですが、決算日から株主総会までの期間について諸外国と比較したものが以下の表です。
(出典:経済産業省ホームページ)
諸外国と比較して、平均で1ヶ月以上も短いことが分かります。このために株主総会が同日に集中してしまうことや株主総会での議論が活発にできないという海外機関投資家などの意見も考慮して、今回の改正に至ったものと考えられます。施行時期については今後、決定されることになっています