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固定資産税の軽減措置について

記事作成日2020/06/09 最終更新日2020/06/09

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2020年6月現在、新型コロナウイルス感染症の拡大による経済への影響が深刻化しています。

そのため、店舗の休業や客足減少など、厳しい経営環境におかれることを余儀なくされる事業者の方も多くいらっしゃると思います。

そこで、今回は、新型コロナウイルス感染症の影響で事業収入が減少している中小企業者・小規模事業者の方に向けて行われる、固定資産税・都市計画税の減免、そして、固定資産税の特例の拡充・延長についてお伝えします。

1.固定資産税・都市計画税の減免
Ⅰ.中小企業者・小規模事業者とは

まず初めに、今回の軽減措置が適用される中小企業者・小規模事業者についてご説明いたします。

① 資本金の額または出資金の額が1億円以下の法人
② 資本金または出資を有しない法人、または個人で従業員1,000人以下の場合。

ただし、大企業の子会社等(下記のいずれかの要件に該当する企業)は対象外となります。

1. 同一の大規模法人(注1)から2分の1以上の出資を受ける法人
2. 2法人以上の大規模法人から3分の2以上の出資を受ける法人

(注1) 大規模法人とは、資本金の額若しくは出資金の額が1億円超の法人、資本若しくは出資を有しない法人のうち常時使用する従業員数が1,000人超の法人又は大法人(資本金の額又は出資金の額が5憶円以上である法人等)との間に当該大法人による完全支配関係がある法人等をいい、中小企業投資育成株式会社を除きます。

Ⅱ.減免対象
減免は2つの税金が対象となります。

⑴ 事業用家屋及び設備等の償却資産に対する固定資産税(通常、取得額または評価額の1.4%)
⑵ 事業用家屋に対する都市計画税(通常、評価額の0.3%)

※事業収入に、給付金や補助金収入、事業外収益は含みませんのでご注意ください。

Ⅲ.申請の流れ【法人の場合】
軽減の申請を受けるにあたって、3つの確認事項があります。

 1. 中小事業者等であることの確認
→資本金を登記簿謄本の写し等で確認
→大企業の子会社でない旨を誓約書で確認
→性風俗関連特殊営業を行っていない旨を誓約書で確認

 2. 事業収入の減少の確認
→2020年2月~10月までの連続する3か月の期間の事業収入が前年同期間と比べ、30%or50%以上減少していることを会計帳簿等で確認 

3. 特例対象家屋の居住用・事業用割合の確認
→特例の対象資産について事業用の部分を所得税青色・白色申告決算書、収支内訳書等を用いて確認

上記に赤字で記載されている資料を準備する必要があります。
ご不明点等ございましたら、TOMA税理士法人にご連絡ください。

2.固定資産税の特例の拡充・延長
続いて、固定資産税の特例の拡充・延長についてご説明いたします。

現在、中小企業が新たに投資した設備については自治体の条例に沿って、投資後3年間、固定資産税が免除されます(固定ゼロの特例)。

しかし今回、生産性向上に向けた中小企業の新規投資を促進するため、本特例の適用対象に事業用家屋構築物を追加するとともに、2021年3月末までとなっている適用期限が2年間延長されました。

Ⅰ. 対象地域
→「導入促進基本計画」を策定している市区町村※
※中小企業庁WEBサイトを参照してください。https://www.chusho.meti.go.jp/

Ⅱ. 対象設備
→事業用家屋 …取得価額の合計額が300万以上の先端設備等と共に導入されたもの
→構築物※  …旧モデル比で生産性が年平均1%以上向上するもの
※受変電設備等

Ⅲ. 申請の流れ【家屋の例】
→家屋が先端設備等導入計画に盛り込まれること(先端設備導入計画の案)
→新築の家屋であること(建築確認済証)
→家屋の内外に生産性向上(年1%以上)要件を満たす設備等が設置される家屋であること(認定計画・見取り図)
→設置される先端設備の取得価額が300万円以上であること(先端設備の購入契約書)

以上、固定資産税・都市計画税の減免措置、そして固定資産税の特例拡充・延長について
述べましたが、どちらの措置も申請の際は事前の資料準備が必須となります。

TOMA税理士法人では、固定資産税等の他に、新型コロナウイルス感染症に関連したその他の税金、資金繰りの
ご相談にも応じております。

是非お気軽にご連絡ください。