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税務調査の是認とは

記事作成日2020/03/25 最終更新日2021/01/22

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税務調査を受けた際に、調査項目に問題がないことを是認(申告是認)と呼びます。しかし、晴れて是認となって是認通知を受けた場合でも、再調査する可能性があることをご存知でしょうか?今回は、是認通知の正しい知識と、再検査の詳しい内容について解説します。

■是認通知とは

是認通知とは、税務調査において税金の申告漏れがないと認められた際に送付される、「更正決定等をすべきと認められない旨の通知」のことを差します。適正な納税を行っているため、修正申告などの更生が必要ないという意味です。

是認通知は日々の帳簿や資料の管理、適切な申告をミスなく行った証となるので、企業にとって取引先や金融機関の信頼が増すことが大きなメリットといえます。

是認通知を受け取る企業は少なく、平成26年度の国税庁の実地調査では全体の3割弱というデータがあります。一方、7割以上の企業では、不正な計算などによる申告漏れをしているという結果になりました。

是認されるためには、法人税、消費税、源泉所得税、印紙税のすべてを調査し、何の問題がないことが条件になります。4つの税金をミスなく申告し、是認を受けるのはかなり難しいことなのです。しかし、納税に対する意識を持ち、税理士との連携を図れば、是認通知を受ける可能性も高まります。。

■是認通知をもらっても再調査の可能性がある?

税務調査後に是認通知をもらったとしても、それで一件落着とはいきません。なぜなら、是認通知は「調査が終了した時点」の状況に対し、適正に税金を申告しているという判断を下すからです。

調査が終了した後に得た新たな情報で、申告漏れや不正などの可能性があると、再び税務調査が入ることがあります。これらは国税通則法によって定められており、再調査の必要が出た場合はこれに応じなければなりません。

しかし、是認された後に再調査するケースはごく稀で、新たな情報を得たという事実がない限り、再調査になることはありません。再調査になるケースとは、取引先の税務調査で自社の不正が発覚し、新たな情報と認められた場合などです。

是認通知をもらったからといって安心せず、再調査の可能性があることを念頭に置いて、日々の経理業務を引き続き適正に行う意識が大切です。

■調査省略と是認通知の関係性

税務調査の連絡を受けたものの、「実地調査が必要ない」と判断された場合、「調査省略」となる場合があります。調査省略となるケースは、以下の2つの条件が適応された場合となります。

・金額が少額な場合や単なるミスなど、修正申告などの更生をする必要がない

・税理士が税務申告書を作成した際に、取引などの詳細書類を添付する「書面添付制度」を利用した

税務調査を行う調査官は調査件数のノルマがあります。税務調査を行う一つの目的として「増差所得や重加算税」などを取ることが調査官にとって重要であり、税金を取れない是認となると評価実績に加算されません。そのため、この場合では是認通知を受け取ることはなく、税務調査そのものが「なかったこと」にされるのです。

「書面添付制度」とは、増収した具体的な理由や、商取引での計算をどの書類で行ったのか、という書類を別に用意し、添付することです。この制度を利用すると、税務調査が入る前に税理士に意見聴取する機会が与えられます。その内容で税務当局の納得を得ることできると、税務調査が必要ないと判断されるのです。この場合は是認通知ではなく、「調査省略通知」という文書が送られるのが特徴です。

■まとめ

税務調査の是認通知について、お分かりいただけましたか?是認と認められることは、納税意識が根付いている企業というイメージアップに繋がります。調査省略となった場合は、是認通知が発行されない場合や、調査省略通知に変わることを覚えておきましょう。

また、税務調査は事前に連絡が入ることが一般的ですが、日頃の経理業務を適正に行えば、税務調査に慌てることはありません。納税の意識を持ち、正しい経営を心がけましょう。

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