みなさん、こんにちは。
4月も残り半分となり、改正消費税法の施行まで残り半年をきりました。
そこで今回は消費税の経過措置についてご説明したいと思います。
そもそも経過措置というのは、モノの引渡し時やサービス提供時とお金の支払時期が異なる取引の場合に、税率改正後も旧税率で計算することが認められるというものです。
また、経過措置の各規定により、旧税率が適用される施行日以後の事業者が行う資産の譲渡等及び課税仕入れについては、必ず経過措置を適用することとなります。よって、経過措置の適用を受ける課税売上を新税率で計上することはできませんし、課税仕入れについても新税率により仕入税額控除を行うことはできません。
経過措置の適用の有無を判断する上での基準として、「指定日」と「施行日」があります。
指定日:経過措置の適用を受けるための契約の締結の期限となる日(2019年4月1日)
施行日:新税率が開始される日(2019年10月1日)
この2つの日付と各取引にかかる契約内容や取引日付、契約日付との関係によって経過措置の適用の有無が異なります。
取引日付との関係についての例として、コンサートのチケットで考えてみましょう。2019年12月のコンサートのチケットを2019年9月に購入したとします。実際にコンサートに行く日は施行日(2019年10月1日)よりも後ですが、チケットを購入した取引日付は施行日(2019年10月1日)前です。この場合は、チケットを購入した日の旧税率で代金が計算されます。購入後利用期間が施行日(2019年10月1日)をまたぐ定期券なども同様です。
契約日付によって適用の有無が異なる例として、建物の賃貸で考えてみましょう。
賃貸契約は2年更新、解約する場合は更新日の1ヶ月前という契約が多いかと思います。この解約申出期限が指定日(2019年4月1日)より前か後によって、施行日(2019年10月1日)以後の賃料にかかる消費税率が、異なります。指定日(2019年4月1日)よりも前だと、経過措置の 適用がありますが、指定日(2019年4月1日)以後に解約申出期限日が来ている場合は施行日(2019年10月1日)以後の税率は10%になります。
このように、各取引によって施行日(2019年10月1日)以後の税率が混在していくこととなりますので、現在契約中の取引の日付や施行日、指定日(2019年4月1日)との関係を確認していただき、施行日以後の会計処理が正しくできるように準備していきましょう。
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