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後継者別の事業承継手法のメリット・デメリット

記事作成日2020/02/18 最終更新日2023/02/20

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ここ数年、事業承継という言葉をよく見聞きするかと思いますが、事業承継について皆様は考えたことはありますか。考えてはいるけれど、何から始めればいいか分からない、日々の業務が忙しい、健康上の問題等がないため対応を後回しにしてしまう経営者の方々が多いのではないでしょうか。

事業承継には後継者の属性から区分して、3つの方法があると言われています。その方法とは、親族内承継、親族外承継、そして社外への引継ぎです。この記事ではその3つの方法について、それぞれメリット・デメリットを記載いたします。

方法別メリット・デメリット

(1)親族内承継

現経営者の子や、その他の親族に承継させる方法です。事業の将来性や経営者になるということの不安、後継者側の家業にとらわれない職業の選択等により、近年、事業承継全体に占める親族内承継の割合が急激に落ち込んでいます。

<メリット>
・親族内の後継者を早期に決定した場合、長期の育成期間を確保することができる
・相続等により、財産や株式を後継者に移転できるため、所有と経営の一体的な承継が期待できる

<デメリット>
・親族内に経営能力と意欲がある人がいるとは限らない
・事業承継の準備をせずに相続が始まってしまった場合で、相続人が複数人いるときには、後継者に議決権株式の集約をはかるのが難しい

(2)親族外承継

親族以外の役員・従業員に承継する方法です。親族内承継の減少を補うように、親族外承継の割合が増加しています。

<メリット>
・会社内外から経営者として能力のある人材に事業承継できる
・社内で長期間働いてきた役員・従業員であれば経営方針等の一貫性を保ちやすい

<デメリット>
・親族内承継と比べて、利害関係者からの同意を得るのが難しい
・株式を取得するための資金力を確保することが難しい

(3)社外への引継ぎ(M&A等)

株式譲渡や事業譲渡等により、承継を行う方法です。後継者確保の困難化等の影響を受け、親族外同様、事業承継の割合上、増加しています。

<メリット>
・親族や社内に適任者がいない場合、広く候補者を外部に求めることができる
・オーナー経営者は株式の売却によるキャッシュを得ることができる

<デメリット>
・従業員の雇用維持や買取価格など希望条件を満たす買い手を見つける事が難しい
・経営方針等の一貫性を保ちにくい

まとめ

どの方法を取るにしても事業承継には相当の時間がかかります。一般的に5年~10年かかると言われています。つまり、経営者が70歳で引退しようと考えているのであれば、60歳より前に事業承継を考えていく必要があります。

事業承継という言葉が多く聞かれる現在であっても、まだ事業承継に踏み出せていない経営者の方々がいます。そいう方々がこのブログを見ることで、少しでも事業承継に踏み出していただけたら幸いです。