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2020年分路線価が公表されました。新型コロナの影響は?

記事作成日2020/08/17 最終更新日2020/08/17

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毎年7月に公表される路線価が今年も発表されました。自分の所有している土地はどうなのか、日本一高いあの場所はいくらなのか、毎年公表を心待ちにしている方も多いのではないでしょうか。今回は、2020年分の路線価の傾向や、新型コロナウイルス感染拡大の影響について解説します。

路線価とは?

路線価とは、主要道路に面した土地の1平方メートルあたりの標準価格を示していて、1月1日を評価時点としています。1年間の地価変動などを考慮し、時価の80%程度を目安に評価しており、相続税や贈与税の算定基準となります。 路線価方式による土地の計算方法は、「路線価×各種補正率×その土地の面積」となります。

土地取引の指標としては、この路線価のほか、国土交通省が毎年3月に公表する公示地価(評価時点は1月1日)、都道府県が毎年9月に公表する基準地価(評価時点は7月1日)があります。

前年比は全国平均1.6%増、5年連続上昇

2020年分の路線価の全国平均は、前年比で1.6%上回り、5年連続の上昇となりました。訪日外国人客の増加や都市部の再開発などが上昇をけん引したとみられます。

全国で最高路線価となったのは、35年間連続で中央区銀座5丁目の鳩居堂前となり、1平方メートルあたりの路線価は4,592万円と、昨年の4,560万円と比較して0.7%の上昇となりました。

新型コロナの影響は?

前述の通り、この路線価は1月1日を評価時点としていて、その後世界中に蔓延した新型コロナの感染拡大による影響は、考慮されていません。このため国税庁は、7月1日を評価時点とし、国土交通省が9月に公表する基準地価が、新型コロナの影響で広範囲にわたり大幅に下落した場合は、その地域の路線価を減額修正できる措置の導入を検討しています。対象地域の路線価に1未満の係数を乗じ、減額できるという案が検討されており、対象地域や、地価がどの程度下がった場合に減額修正するかなどの詳細は、今後発表される予定です。

不動産の相続税評価には、この新型コロナの影響による減額修正の他にも、各種減額補正できるケースが多数あります。少しでも評価額を下げるためには、税理士等の専門家に相談することをおすすめします。