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相続税の税務調査について知ろう!その2

記事作成日2017/10/11 最終更新日2020/05/20

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以前ご紹介した相続税の税務調査について、引き続きご案内したいと
思います。

◆税務調査では何を調べられるの?

税務調査で質問される一般的な項目としては、
(1) 被相続人(=亡くなった人)の経歴、趣味、住所の移転状況
(2)被相続人と相続人との関わり度合い、生前贈与の状況
(3)家の金庫、貸金庫の場所および中に入っていたものの確認
(4) 被相続人の生活費(毎月いくら使っていたか? どんな収入があったか?)
(5)被相続人の給料、公共料金、生活費の口座はどこか?
(6)不動産の購入時売却時の売買契約書、売却代金の使途
(7)過去に被相続人、被相続人の配偶者が相続した財産
(8) 会社を経営されていた場合は、会社の株の異動状況、株主名簿、配当金、議事録などが挙げられます。

例えば被相続人の趣味がゴルフであれば、ゴルフ会員権を持っているのではないか、骨董が趣味であれば、鑑定を必要とする高価な骨董品があるのではないかと推測されます。また住所の移転状況を確認することで、その移転先で開設した口座があるのではないか、収入や生活費を確認し、収入に対して相続財産が少なければ、申告漏れがあるのではと調べられます。
税務調査では被相続人の預貯金はもちろんのこと、相続人の預貯金もチェックされます。被相続人については大口の入出金は念入りに調べられ、配当金の入金などから、有価証券の申告漏れがわかることもあります。

◆特に見られる名義預金

被相続人名義でなくても、資金の出所が被相続人であり、かつ資金移動の際、適正な贈与手続き(贈与契約書を作成し、贈与税の非課税枠を超えている場合は、贈与税申告をする)を踏んでいなければ、そもそも贈与契約は成立していないとみなされ、被相続人の名義預金=相続財産となってしまいます。
親が子ども名義で毎年預金をしていても、その預金の存在を子どもが知らなければ贈与は成立していないことになりますし、専業主婦である妻が、夫の給料をやり繰りし、生活費の残りを妻名義で預金していた場合も名義預金(「真の所有者」は夫)とみなされてしまうのです。
税務調査で名義預金と指摘されないためにも、生前贈与などの相続対策を検討しましょう。