中小企業者が設備投資をした場合に、最大で3年間固定資産税が免除されるという法律が、平成30年5月16日に参院本会議で可決されました。その法律とは「生産性向上特別措置法」というものです。この法律は早ければ6月にも施行される見込みとなっています。
今回は、この制度について紹介していきます。
この法律は、中小企業の業績は回復傾向にあるものの、労働生産性は伸び悩んでおり、今後、少子高齢化や人手不足、働き方改革への対応等の厳しい事業環境を乗り越えるために、老朽化が進む設備を生産性の高い設備へと一新させ、労働生産性の向上を図るために制定されました。
<制度の概要>
この法律により可決された制度とは、中小企業者等が一定の要件を満たす設備をこの法律の施行日から平成33年3月31日までの間に購入した場合に、固定資産税を3年間、2分の1から最大0円まで軽減するというものです。
2分の1から0円までの軽減の割合については、各市町村の条例で定める割合によるため、この制度の適用を受ける場合には、その設備の投資をする場所の自治体の状況を確認することが必要になります。
<適用の対象となる設備>
適用の対象となる設備は、生産性向上に資する指標が旧モデル比で年平均1%以上向上する下記の設備となっています。
・10年以内に販売された160万円以上の機械装置
・5年以内に販売された30万円以上の測定工具及び検査工具
・6年以内に販売された30万円以上の器具備品
・14年以内に販売された60万円以上の家屋とは一体となっていない建物附属設備
<適用を受けるための手続き>
この制度の適用を受けるためには、認定経営革新等支援機関による事前確認と工業会の証明書の取得の上、「先端設備等導入計画」を地方自治体より認定を受ける必要があります。この制度は、設備の取得の前に先端設備等導入計画の認定が必須となっており、先端設備導入計画の認定申請を出す前には支援機関による事前確認が必要とされています。なお、工業会の証明書の取得については、固定資産税の賦課期日である1月1日までに取得できれば適用が可能となります。
<まとめ>
この制度の適用を受ける場合には、はじめに投資する場所の自治体においてこの制度の適用が可能であるのかどうか確認することが重要です。そして適用が可能な場合には、要件を満たすのか確認しましょう。
この制度は、認定支援機関の事前確認の後に、先端設備等導入計画の認定を受けて設備投資をするため、設備の取得前に期間を要します。そのため、この制度を受けるためには早めの準備が大切になりますので、余裕を持って準備に取り掛かりましょう。