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Q 母の相続時に、共有名義にする予定で建設中の自宅を有利にするには、どのような方法がありますか。
現在建設中の新しい自宅について、自分と妻、または母との共有名義にすることを検討中です。母死亡時の相続を考慮した場合、どのような方法が有利になりますか?
方法①:母に一部お金を出してもらい、その部分を母名義とする。
自己の居住用の家屋の相続税評価額は固定資産税評価額と同額となり、通常取得価額より低くなるので、現金で所有しているよりも有利と考えられます。
方法②:住宅取得等資金の贈与税の非課税制度を利用し、母から妻へ資金を贈与してもらう。
平成27年1月1日から平成31年6月30日までの間に直系尊属(義理の父母も直系尊属に当てはまります。)からの贈与により、自己の居住の用に供する住宅用家屋の新築等(その家屋の敷地の用に供される土地や借地権などの取得も含みます。)のための金銭を取得した場合において、一定の要件(※1,2)を満たすときは、限度額までの金額について贈与税が非課税となります。
限度額は、住宅の種類や契約の締結日に応じて異なります。平成29年9月30日までの贈与でしたら、限度額は、省エネ等住宅に該当する場合1,200万円、それ以外の場合700万円となります。また、暦年課税にあたっては基礎控除110万円、相続時精算課税にあたっては特別控除2,500万円との併用が可能です。
これらの枠内の金額を贈与してもらった上で、妻との共有名義で新築家屋を取得すれば、その分だけ贈与税がかかることなく母の相続財産を減らすことができます。
※1 資金の受贈者の要件
- ・贈与を受けた時に日本国内に住所を有すること
- ・贈与を受けた時に贈与者の直系卑属で、その年の1月1日において20歳以上であること
- ・贈与を受けた年の合計所得金額が2,000万円以下であること
- ・贈与を受けた年の翌年3月15日までに住宅取得等資金の全額を充ててその家屋の新築等をすること
※2 家屋に関する要件
- ・登記簿上の床面積(区分所有の場合にはその専有部分の床面積)が50㎡以上240㎡以下であること
- ・その家屋の床面積の2分の1以上が受贈者の居住の用に供されること