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忍び寄る空き家問題

記事作成日2017/06/12 最終更新日2017/06/12

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 2033年には3軒に1軒が空き家になると言われています。現在の空き家率が13.5%ですから、わずか16年後にはそれが2.5倍になるということです。皆さんの周りでも少しずつ空き家と思しき住宅が目立ち始めていませんか。これは地方の住宅に限ったことではなく東京でも同様で、特にマンション等は空き住戸の実態がつかみにくいため、空き家かどうか分からない住戸も多いそうです。今回は、迫り来る空き家問題を考えてみます。

◆不動産が売れない時代がやって来る!?

 核家族化やシングル世帯の増加、不動産による節税目的などで、新築アパート・新築賃貸マンションの建設は止まりません。一方で、若い人たちが都心部へ移住し、地方や郊外の住宅に住む人が減り続けています。数十年も前から住宅戸数は世帯数を明らかに上回っており、加えて少子化の影響で親や祖父母が所有する不動産を受け継ぐ人も少ないのですから、全国的に不動産が余ってきています。この余った不動産を誰が買うのか…。
 実は誰も買ってくれない時代が迫っているのです。かつて別荘地用に取得した不動産(主に原野や山林)を売却できずにいるという事例が多くありますが、空き家についても徐々に売れない物件が増えてきています。所有しているだけでも管理費や税金といった「維持コスト」が掛かるため、住んだり、貸したりできない不動産は売値をいくら安くしても買い手がなかなか現れません。この「維持コスト」問題が更に空き家を増やしています。
 空き家を解体して更地にしてしまうと、土地の固定資産税評価額が大幅に引き上げられます。そのため、税金対策として空き家であっても建物を壊さないケースや、居住しない家に高額な解体費用を負担したくないというケース、借地権を維持するために建物を解体しないというケースなど、空き家が存在する理由は様々です。

◆資産活用が重要

 この空き家、活用の仕方次第では資金を産出する、まさに「資産」に変わる場合があります。しかし、空き家のまま所有しているだけでは資産にはなりません。他の空き家に競り勝つための「策と方法」が大事なのです。立地にもよりますが、資産の組換えや現況を高度活用するためのリノベーションなど、今ならまだ打つ手があるようです。空き家は決して「厄介者」ではなく、先祖から受け継ぐ大切な財産。「価格次第では、まだまだ売れますよ!」の言葉に安心せず、私たち財産コンサル部と一緒に空き家の有効な活用方法や資産の組換えを考えてみませんか。