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取引相場のない株式の評価に関する今後の着目点

記事作成日2017/08/25 最終更新日2018/01/05

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今年の6月22日、国税庁から「財産評価基本通達」の一部改正(案)に対する意見公募が実施され、取引相場のない株式の評価に関わる案が公示されました。その内容は株式保有特定会社の判定基準に新株予約権付社債を加えるというものでした。株価上昇の要因になるため、株式保有特定会社にの判定方法、判定に含まれる株式等の範囲などをお伝えしていきたいと思います。

<株式保有特定会社とは>

課税時期において評価会社の有する各資産を財産評価基本通達により評価し、その合計額のうち占める株式及び出資の価額の合計額の割合が50%以上である評価会社を言います。判定方法は以下の算式になります。

株式等の価額÷総資産価額≧50%

※ 株式等の価額及び総資産価額は財産評価基本通達により計算した価額になります。

<株式等の範囲>

上記の規定は平成30年1月1日以後の相続・贈与から適用され、その範囲は下記の様になります。

  1. 株式保有特定会社の判定基準に含まれるもの
    • 証券会社が商品として保有する株式
    • 株式形態のゴルフ会員権
    • 特定金銭信託
    • 新株予約権
    • 新株予約権付社債
    • 外国株式
  2. 株式保有特定会社の判定基準に含まれないもの
    • 匿名組合の出資
    • 証券会社が顧客からの預かり資産として保有する株式
    • 証券投資信託の受益権
    • 新株予約権付社債以外の社債

<S1+S2方式の評価方法>

  1. S1の金額                                                                                                                                     株式保有特定会社が所有する株式等(自己株式を除く。)とその株式等の受取配当がないものとして計算した場合の同社株式の原則的評価方式により評価した価額
  2. S2の金額                                                                                                                        株式保有特定会社が所有する株式等(自己株式を除く。)について、財産評価基本通達により評価した価額(評価差額に対する37%控除を適用して計算する)

<着目点>

今まで一般の評価会社であった取引相場のない株式が株式保有特定会社に該当する可能性があり、この場合、評価上有利とされる類似業種比準方式は適用することができず、純資産価額方式又はS1+S2方式で評価するため株価が上昇する可能性があり、今後も着目していく必要があります。