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事業承継計画の策定

記事作成日2017/03/17 最終更新日2017/03/17

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事業承継計画

事業承継計画とは、中長期の経営計画に、事業承継の時期・具体的な対策を盛り込んだものです。現経営者は成果物としての事業承継計画の作成自体を目的とするのではなく、策定プロセスにおいて後継者、従業員等の関係者間で会社の理念や経営者の想いを共有化することが重要です。

また、経営状況、経営課題等の把握を十分に実施することが、実効的な事業承継計画の策定の前提となることに留意しなければなりません。

中長期経営計画の設定

自社の現状とリスク等の把握を経て、これらを基に中長期的な方向性・目標を設定する。
例えば、10年後に向けて現在の事業を維持していくのか、拡大していくのか、といったイメージを描くことが必要です。この方法に基づいて組織体制のあり方や、必要な設備投資計画等を検討し、さらに、売上や利益、マーケットシェアといった具体的な指標に落とし込みます。

この過程においては、中長期目標において想定している期間の中で、いつ事業承継を実行するのかを織り込む必要があります。目標設定は後継者とともに行い、その際、事業承継後に後継者が行う取り組みについても中長期目標に織り込むことができれば、事業承継を契機とした再成長も期待できます。

策定プロセスの概要

1.自社の現状分析

経営状況、経営課題等の把握を通じて自社の現状をもとに、次世代に向けた改善点や方向性を整理します。

2.環境変化の予測と対応策・課題の検討

事業承継後の持続的な成長のためには、変化する環境を的確に把握し、今後の変化を予測して適切な対応策を整理することが望ましいです。

3.事業承継の時期等を盛り込んだ事業の方向性の検討

自社の現状分析、環境変化の予測を踏まえ、現在の事業を継続していくのか、あるいは事業の転換を図っていくのか等、事業領域の明確化を行います。さらに、それを実現するためのプロセスについても具体的なイメージを固めていきます。その中には、事業承継の時期や方法を盛り込んでいきます。

4.具体的な目標の設定

中長期経営計画の内容について、売上や利益、マーケットシェアといった具体的な指標ごとの目標を設定します。

5.円滑な事業承継に向けた課題の整理

以上の分析・整理を踏まえ、後継者を中心とした経営体制へ移行する際の具体的課題を整理する。ここでは課題・対応策を参考に、考え得る必要なアクション(例えば、専門家への相談や、資金調達)についても盛り込んでおくと、より実効的な計画策定が期待できます。

<具体的な事業承継のイメージ図>

事業承継計画の策定の図(高井作成)