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事業承継の支援を受ける方法は

記事作成日2017/09/12 最終更新日2017/09/12

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事業承継は様々な工程を要し、時間も労力も、そして金銭的な問題も発生することが多くあります。今回は、日本経済を支える中小企業が、事業承継問題をきっかけに傾くことがないよう、国が講じている支援と方法(条件)についてご紹介します。

円滑化法による支援

中小企業の事業承継をサポートする制度として、中小企業経営承継円滑化法により、「事業承継税制」「遺留分に関する民法の特例」「金融支援措置」の3つが整備されています。

1.事業承継税制

経営者から後継者に相続・贈与された自社株について、一定の条件をクリアすることで、相続税、または贈与税の納税が一定部分猶予・免除されます。後継者は親族内・親族外を問いません。猶予を受けるためには、「円滑化法に基づく都道府県知事の認定」「相続税・贈与税の申告期限後、5年間平均8割の従業員数の雇用を維持」等の適用要件があります。

2.遺留分に関する民法の特例

現経営者から後継者に贈与等された自社株について、一定の要件を満たしていることを条件に、遺留分算定基礎財産から除外する(除外合意)、遺留分算定基礎財産に算入する価額を合意時の価額に固定する(固定合意)といった取り決めなどが可能です。これは、相続紛争や自社株の分散を防止し、後継者にスムーズに事業を承継するための特例です。この特例を利用するには、一定の要件を満たした上で「推定相続人全員の合意」を得て、「経済産業大臣の確認」及び「家庭裁判所の許可」を受けることが必要です。

3.金融支援措置

円滑化法の利用により、「日本政策金融公庫等の低利融資」「信用保証協会の保証枠の別枠整備」の金融支援が受けられます。これは、「後継者が相続等で分散した自社株や事業用資産の買い取り」、「相続・贈与によって取得した自社株や事業用資産の納税」、「経営者の交代によって銀行の借入要件や取引先の支払条件が厳しくなった場合の対策」等を想定した支援策で、円滑法に基づく都道府県知事の認定を条件に受けられます。(都道府県知事の認定とは別に、金融機関や信用保証協会による融資の審査があります。)

事業承継補助金

「事業承継補助金」は、事業承継(事業再生を伴うものを含む)をチャンスとして、経営革新や事業転換等の新たな取り組みを行う中小企業に対して、経費の一部を助成する事業です。補助率は2/3、補助の上限は200万円で、事務所の廃止や既存事業の廃止を伴う場合は、廃業費用を上乗せして上限500万円となっています。平成29年度の公募は終了(5/8~6/2)しており、517件の申請から、採択されたのは65件でした。(経済産業省HPより)
条件が多く狭き門ではありますが、事業承継や補助金申請に詳しい専門家のアドバイスによって採択率をあげることが可能なため、是非チャレンジしたいところです。

事業引継ぎ支援

M&A等で事業承継を考える場合も、公的支援があります。後継者不在で事業存続に悩む中小企業の相談に対応するため、「産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法」に基づく全国の認定支援機関(商工会議所等)に、事業引継ぎ支援センターが設置されています。事業引継ぎ支援センターでは、事業承継の相談や情報提供、M&Aの仲介業者の紹介や、起業を志す個人とマッチングを行う「後継者人材バンク」の開設・運営を行っており、中小企業の後継者問題に取り組んでいます。
(※後継者バンクの開設有無は各都道府県により異なります)

その他の支援

4.事業承継の支援を受ける方法は事業承継に関する支援は他にもあります。独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)は、「事業承継ポータルサイト」の運営により、様々な観点での情報を提供し、全国9カ所(平成29年4月時点)に窓口を設け、事業承継を含む様々な相談を受け付けています。中小企業庁の運営する「ミラサポ(未来の企業応援サイト)でも、事業承継を含む様々な情報発信がされています。
『事業承継ポータルサイト』
『ミラサポ~未来の企業応援サイト』
様々な支援が、日本における中小企業の重要性を物語っています。

以上、事業承継における支援についてご紹介しました。多くの支援があるのは頼もしいことですが、中には上述したように、狭き門のため、支援を受けるためのコツや対策が重要となってくる場合があります。ただでさえ忙しい経営者が、これらを個人で調べ、対策を練ることは難しいでしょう。しっかりとした支援を受けるためにも、支援策に詳しい専門家の協力を得るようにすることが、対策の第一歩と言えるかもしれません。