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事業承継のスケジュールの立て方

記事作成日2020/02/05 最終更新日2021/01/22

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事業承継をスムーズに行うためには、具体的なスケジュールを立てることが重要です。どのようなことに注目してスケジュールを立てればよいのでしょうか。

■事業承継の大まかな流れ

 まずは、大まかなスケジュールについて確認しましょう。一般的に事業承継は以下のような流れになります。

・現状を把握

・事業承継方法を決める

・後継者を選別

・事業承継のスケジュール表を作成

・事業承継を実行

事業承継をするのか、または廃業するのかを最初に決める必要がありますが、そのためにもまずは現状を把握することが必要です。保有資産や経営状況、後継者候補がいるかどうかに加えて、現経営者の年齢や引退時期の意向なども改めて把握することで、具体的なスケジュールが確認しやすくなります。

その後、親族内承継にするのか、第三者に事業譲渡するのかといった承継方法を決めれば、後継者の選別が可能になります。これらが決まり条件が揃ったら、いよいよスケジュール表の作成に入ります。

■事業承継のスケジュールの立て方

 ◇スケジュールは余裕を持って設定する

事業承継は、通常の経営と並行して行わなければなりません。そのため、最終的に後継者に完全に事業が承継されるまでには、数年から10年前後の期間がかかることが一般的です。

日本政策金融公庫の調査によれば、後継者の育成期間として少なくとも3年以上を想定している経営者がほとんどの割合を占めていました。

◇スケジュール表には何を記載するのか

事業承継のスケジュール表には、会社の事業計画や後継者の育成スケジュールなどを記載します。記載する主な項目は以下の通りです。

・会社の事業計画

・会社に関するスケジュール

・現経営者に関するスケジュール

・後継者に関するスケジュール

これらの情報を縦軸に取り、横軸に年数を記載して一つの表を作成します。このように、いつどんなことを行うのかということを一覧でわかるようにしたものが事業承継のスケジュール表です。

スケジュール表を作成したら、最終的な事業承継完了に向け、どの時期に何を行うかを記載していきます。重要なことや時間がかかるものと、すぐに終わること、あまり重要ではないことを区別し、重要なことからスケジュールに入れ込んでいくことが大事です。

次に、具体的にどういったことを記載するのかをご紹介します。

◇会社に関するスケジュール

ここには、定款や株式などのスケジュールを記載します。事業承継をするにあたって、現経営者から後継者に株を譲渡したり、後継者を支援するために定款を変更するといった場合、いつのタイミングでそれを行うのかを決めなければなりません。

◇現経営者に関するスケジュール

ここには、現経営者の年齢や今後の役職、保有している株式をどう分配するか、持株比率をどう変化させるかなどのスケジュールを記載します。また、事業承継にあたって家族や役員、取引先などからの理解を得ることが求められますが、時間がかかりそうなものや重要なものについては、早い段階でスケジューリングしておくといいでしょう。

◇後継者に関するスケジュール

後継者の欄にも、年齢や役職、持株比率の変動などを記載します。また、後継者の教育スケジュールも合わせて記載しておくと管理が楽です。社内でどのように教育を受けていくのか、昇進の予定はどうなっているのかなどを管理するとともに、社外で学ぶ予定がある場合にも記載しておきます。

■まとめ

事業承継をスムーズに行うためには、きちんと段階を踏んで計画を立て、スケジュール表に落とし込むことが重要です。事業承継のスケジュール表に承継のスケジュールのみならず、事業計画も合わせて記載しておくことで、事業承継についてより現実味を持って捉えることができます。