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中小企業のためのグループ経営戦略~複数の事業を擁する経営者が抱える問題とその対応方法4

記事作成日2018/01/12 最終更新日2018/09/18

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前回、多角的経営を行う経営者の共通の悩みのひとつとして、従業員の不満への対応という問題について見てみました。
今回は「後継者をどうするか」について考えていきたいと思います。

問題

後継者問題は多角的経営を行う経営者だけでなく、多くの経営者が抱える問題でもあります。中小企業庁で公表されている情報では、中小企業の経営者の95%以上が何らかの形で事業を他者に引き継がせたいと考えていると書かれています。しかし、経営者は事業を承継するにあたって、後継者を誰にすればよいでしょうか。
後継者候補には、親族や自社の従業員、外部の第三者などあります。しかし、その候補者が経営者としてやっていけるのか、経営者としての能力があると見込んでいる場合でも取引先や従業員に納得してもらえるのかどうかは未知数であり、経営者は事業を承継しても大丈夫なのか不安になると思われます。

検討

この問題を解決するためには、候補者に社長としての経験を積ませることが良いと思います。そのため、持株会社制度(ホールディングカンパニー制度)の導入を検討します。
持株会社制度の導入に伴って、グループ全体を統括する親会社が作られ、各事業部門は子会社になります。その各事業子会社において誰かを社長にする必要ができたので、候補者をその子会社の社長に就任させます。そこで候補者は経営者としての職務に従事することができます。候補者は経営者としての力量つけることや的確な経営判断をする機会が与えられ、社内外での信頼関係もつくることができるようになります。

問題の解決

候補者が子会社の社長になることで、各事業子会社で現場の状況を知ることができ、グループ全体としての状況を深く理解することができます。社長としてのリーダシップや会社の経営理念が浸透していき、経営者としての素質を認められ、周りからの信頼関係は深まります。
結果、候補者はグループ全体を統括できる能力を持った人材になり、経営者は安心して事業を承継することができるようになります。