◆金融緩和と不動産投資
一時期大きな話題となったマイナス金利政策など日本銀行の金融緩和政策の継続により、行き場に困った資金が大きく不動産へ流れています。この動きに呼応し、また、東京オリンピックなどに向けた再開発もあり、主に東京都心地域などの地価は大幅に上昇しているようです。
7月3日に国税庁が発表した路線価によれば、銀座5丁目銀座中央通りの地価はバブル期を超え4,032万円/㎡と過去最高額まで高騰。その一方で全都道府県の約70%(32県)は昨年の地価を下回っており、この点はバブル期と大きく異なっています。
こうしたことも、地方から都心の不動産へ資金を向かわせ、都心不動産を高騰させる要因となっているようです。これらの状況から、現在の東京都心部の不動産市況を一言で表現するとすれば「売り手市場になっている」と言えそうです。
ただし、日本銀行をはじめ金融当局が不動産融資の監視を強める姿勢を示しはじめ、徐々に銀行の融資姿勢も慎重になりつつあります。今後は状況が少しずつ落ち着いてくるかもしれません。
このような現状のため、例えば都心の投資用一棟収益マンションは、不動産価格の高騰に反比例してその利回りは数年前に比べ大きく低下。特に借入を伴う場合をシミュレーションすると、そもそも、投資効果に見合わないという状況も散見されています。
これから投資用不動産のご購入をご検討される方は、ご購入の前に弊社へご相談いただくか、ご自身であらゆる状況を想定して、事前によくシミュレーションされることをおすすめします。
◆相続対策に不動産は有効か
弊社のお客様からは不動産投資以外に、相続にかかる不動産のご相談も多くいただきます。相続税法の考え方に基づけば、現金より国内不動産で持っている方が、相続税評価額は下がりますので、制度上、今でも有効と言えます。
このため、ご相談の中で実際に不動産ご購入のお話が出ることもあります。そんな時、私たちは、まず購入ありきではなく、「本当に不動産の購入がベストの選択か」から検討。ベストである場合に「どのような物件が好ましいのか」をご相談者様のご希望をお伺いしながら、担当税理士と協力し検討していきます。
このように財産コンサル部では、物件探しのサポートはもちろん、ご購入予定物件の相続税の節税効果の検証、損益・収支シミュレーション、金融機関の選定、購入後の管理、投資予定地域の将来性、そして、将来の処分まで見据えたさまざまな視点でのアドバイスを行っています。