非上場株式等に係る贈与税の納税猶予とは
後継者が先代経営者から会社の代表権を譲り受けたのち、一定の条件の下で、先代経営者等から贈与により、その会社の株式を取得した場合に適用できる制度で、本来納付すべき贈与税が猶予されるというものです。
この制度を適用するためには、細かい要件の整備が必要であり、適用後も要件を満たす必要があるため、適用には十分な検討が必要です。しかし、その効果は絶大です。
非上場株式等の事業承継税制による効果
中小企業庁から公表されている資料に、【法人版事業承継税制の活用事例】があります。前述の納税猶予を活用して事業承継を成功させた企業の事例が紹介されています。その中で紹介されている意見としては、「税負担の心配がなくなり、資金的・実務的に余裕ができた」という納税面、資金面での効果に対する意見が多いようです。
これに加えて、「先代の急な体調不良による引継ぎに対応できた」、「特例を適用することで後継者に株式の一括贈与をさせることができ、経営を任せることができた」、「当初一人代表での承継だったが、経営基盤の強化を図るため二人代表として承継することができた」などの、事業承継が円滑に進んだという意見も多くあります。
また、「経営の効率化や役員の若返りを図れた」など、事業承継を円滑に行ったことで、企業経営が改善したという副次的な効果に触れた意見もあります。
事業承継は、経営権や株式の異動だけを目的として行われるものではありません。事業承継の結果として、企業が若返り、経営が効率的になります。事業承継を契機としてイノベーションを起こせる可能性も高まります。
この納税猶予の活用は、後継者の税負担を軽減することを目的に行われますが、本当に重要な効果は、事業承継が促進されることによる企業の永続発展です。
まとめ
前述の活用事例資料において「この制度を機に事業承継の話題を家族と話すようになった」という先代経営者の意見があります。納税猶予の活用について検討することは、事業承継について家族を巻き込んだ検討を始める契機になります。制度の活用には慎重な検討と判断が必要で、時間もかかります。
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