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コンビニエンスストアが低層住居専用地域に出店

記事作成日2017/12/11 最終更新日2017/12/11

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住宅の多い市街地には低層住居専用地域というエリアが規定されています。第一種・第二種があり、住環境を良好に保つ目的で建物の高さ制限や延べ床面積の上限を厳しくして、日当たりを良くし(容積率)、建物に対しての敷地面積に余裕を持たせることで通風や庭などの緑地を確保(建ぺい率)して、良好な住環境を保つことが目的の地域になります。

◆不便さ解消のために規制を緩和

この低層住居専用地域ですが、少子高齢化で住宅地に空き家が増え、独り住まいのお年寄りが増えつつある中、住環境重視の街づくりに不便さが現れているといいます。経済産業省の調査では高齢者の17%が「日常の買い物等に不便さを感じている」と回答。住宅以外の建物建設を抑制することを目的に設定した低層住居専用地域の用途制限ですが、ショッピングセンターや商業施設の建築ができないという規定が、不便さの原因になっていると言われています。そこで政府は「規制改革実施計画」という提言で、低層住居専用地域にコンビニエンスストアの出店ができるよう地方公共団体へ規制緩和の指導を始めたようです。

建築基準法第48 条には用途地域内に建築できる施設の制限について「ただし、当該地域内において住居の環境を害するおそれが無いと認め、または公益上やむを得ないと認めて許可した場合においては、この限りではない」と但し書きを設けておりますが、この運用方法に関して、国は地方自治体へ積極的に規制を緩和するための運用基準を定めました。

お年寄りを中心とした「買い物弱者」は、現在700 万人以上と推測され、住宅地内にもコンビニの出店を認めることにより、食料品などの生活必需品の買い物や情報収集、金融サービス、宅配集荷などの生活基盤機能を幅広く担ってもらい、不便さの解消を図ることにより、高齢者の独り暮らしや、空き家の増加に一定の歯止めをかける狙いがあるようです。

今まで出店が難しかった第一種、第二種低層住居専用地域内で100 坪以上の敷地を所有されている方や、空き家をお持ちの方、代々引き継いだ300 坪以上の自宅敷地を所有されている方は、不動産有効活用の一つとしてコンビニの出店を検討されてもよいかと思います。また、その他の用途の店舗に関しても規制緩和措置があるようですので、近くにコンビニがあるからと諦めず、不便を感じた店舗の建設を地方自治体に相談してみてもよいでしょう。

少子高齢化、増え続けていく空き家問題に対応するビジネスモデルの構築こそが、今後の不動産有効活用には必要になってくると思われます。空き家、空き地対策には税務面での対応や権利関係の整理まで、一体的に対応できる、弊社にぜひご相談ください。