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資産除去債務 その1 定義と仕訳例 Provisions for clean-up costs Part.1 【TOMAシンガポール支店 日本公認会計士駐在の税務会計事務所】


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資産除去債務 その1 定義と仕訳例 Provisions for clean-up costs Part.1 

【はじめに】

今回は、資産除去債務の会計についてご説明を致します。

 

【資産除去債務とは?】

「資産除去債務」とは、有形固定資産の取得、建設、開発又は通常の使用によって生じ、当該有形固定資産の除去に関して法令又は契約で要求される法律上の義務及びそれに準ずるものをいいます(資産除去債務に関する会計基準 第3項)。

 

例えば、事務所や工場を建設するにあたり土地や建物を賃貸するとしましょう。賃借人は、賃貸借契約が終了した場合、賃貸物件を原状回復させるために一定の除去費用を支出します。この除去費用があらかじめ認識できる場合に、貸借対照表の負債として計上する債務を資産除去債務といいます。

 

筆者の経験からお話しすると、監査法人又は公認会計士の監査を受ける会社では、資産除去債務を計上しているケースが多く、特に製造業など工場を持つ会社は資産除去債務の金額が多くなる傾向があります。

 

資産除去債務は、将来支出する費用を債務として事前に計上することとなりますので、見積りの要素が多く含まれます。

 

 

【仕訳例】

資産除去債務に関する会計基準の適用指針の説例1を引用しながら、資産除去債務の会計処理を数回にわたりご説明します。

 

  1. 前提条件

Y社は、20X1 年4 月1 日に設備Aを取得し、使用を開始した。当該設備の取得原価は10,000、耐用年数は5 年であり、Y社には当該設備を使用後に除去する法的義務がある。Y社が当該設備を除去するときの支出は1,000 と見積られている。

20X6 年3 月31 日に設備Aが除去された。当該設備の除去に係る支出は1,050 であった。資産除去債務は取得時にのみ発生するものとし、Y社は当該設備について残存価額0 で定額法により減価償却を行っている。割引率は3.0%とする。Y社の決算日は3 月31 日とする。

 

  1. 会計処理

(1) 20X1 年4 月1 日

設備Aの取得と関連する資産除去債務の計上・・・①

(借)有形固定資産(設備A) 10,863

(貸)現金預金 10,000

 

(貸)資産除去債務(*1) 863

(*1) 将来キャッシュ・フロー見積額1,000/(1.03)5=863

 

(2) 20X2 年3 月31 日

時の経過による資産除去債務の増加・・・②

(借)費用(利息費用) 26

(貸)資産除去債務(*2) 26

(*2) 20X1 年4 月1 日における資産除去債務863×3.0%=26

 

設備Aと資産計上した除去費用の減価償却・・・③

(借)費用(減価償却費)(*3) 2,173

(貸)減価償却累計額 2,173

(*3) 設備Aの減価償却費10,000/5 年+除去費用資産計上額863/5 年=2,173

 

(3) 20X3 年3 月31 日

時の経過による資産除去債務の増加・・・④

(借)費用(利息費用) 27

(貸)資産除去債務(*4) 27

(*4) 20X2 年3 月31 日における資産除去債務(863+26)×3.0%=27

 

設備Aと資産計上した除去費用の減価償却・・・⑤

(借)費用(減価償却費)(*5) 2,173

(貸)減価償却累計額 2,173

 (*5) 設備Aの減価償却費10,000/5 年+除去費用資産計上額863/5 年=2,173

 

(4) 20X4 年3 月31 日

時の経過による資産除去債務の増加・・・⑥

(借)費用(利息費用) 27

(貸)資産除去債務(*6) 27

(*6) 20X3 年3 月31 日における資産除去債務(863+26+27)×3.0%=27

 

設備Aと資産計上した除去費用の減価償却・・・⑦

(借)費用(減価償却費)(*7) 2,173

(貸)減価償却累計額 2,173

(*7) 設備Aの減価償却費10,000/5 年+除去費用資産計上額863/5 年=2,173

 

(5) 20X5 年3 月31 日

時の経過による資産除去債務の増加・・・⑧

(借)費用(利息費用) 28

(貸)資産除去債務(*8) 28

(*8) 20X4 年3 月31 日における資産除去債務(863+26+27+27)×3.0%=28

 

設備Aと資産計上した除去費用の減価償却・・・⑨

(借)費用(減価償却費)(*9) 2,173

(貸)減価償却累計額 2,173

(*9) 設備Aの減価償却費10,000/5 年+除去費用資産計上額863/5 年=2,173

 

(6) 20X6 年3 月31 日

時の経過による資産除去債務の増加・・・⑩

(借)費用(利息費用) 29

(貸)資産除去債務(*10) 29

(*10) 20X5 年3 月31 日における資産除去債務(863+26+27+27+28)×3.0%=29

 

設備Aと資産計上した除去費用の減価償却・・・⑪

(借)費用(減価償却費)(*11) 2,171

(貸)減価償却累計額 2,171

(*11) 設備Aの減価償却費10,000/5 年+除去費用資産計上額863-173×4=2,171

 

設備Aの除去及び資産除去債務の履行・・・⑫

設備Aを使用終了に伴い除去することとする。除去に係る支出が当初の見積りを上回ったため、差額を費用計上する。

(借)減価償却累計額 10,863

(貸)有形固定資産(設備A) 10,863

(借)資産除去債務(*12)  1,000

(貸)現金預金 1,050

(借)費用(履行差額)50

 

(*12) 20X6 年3 月31 日における資産除去債務863+26+27+27+28+29=1,000

資産除去債務、利息費用など見られない勘定科目が登場します。また、時の経過による資産除去債務の増加というのが、理解できない方もいらっしゃるかと思います。

この点は次回以降お話します。

 

 

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