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事業承継と役員体制 < 1 >

記事作成日2017/07/10 最終更新日2023/01/18

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事業承継は、ある程度時間をかけて、計画的に行うことが重要です。その過程で検討しなければならないことの一つとして、「役員体制」が挙げられます。役員体制を検討する際は、各役員の役割と機関設計も見直しましょう。

◆取締役・取締役会と監査役の役割

取締役は、取締役会を構成するメンバーです。取締役会が会社の業務執行の決定を行い、代表取締役が会社の業務を執行します。
各取締役は、取締役会を通して会社の業務の意思決定および取締役相互の業務の監督に関与します。ただし、取締役会非設置会社の場合は、各取締役が業務を執行します。
監査役は、取締役の職務執行の監査をします。

取締役も監査役も、株主総会で選任されます。いずれも会社との関係は「委任契約関係」です。つまり、会社と取締役・監査役との間には信頼関係が基礎にあります。取締役・監査役は、会社に対して、忠実義務・善管注意義務を負います。

◆取締役会設置会社と取締役会非設置会社

取締役会設置会社では、取締役が3 名以上必要になります。一方、取締役会非設置会社では、取締役を1名から設定することが可能です。
また、株主も取締役も同族で占められている場合、会社の意思決定も業務執行も同族メンバーが行うため、取締役会を設置しない方が容易に運営できるケースが多いです。これに対して、同族以外の第三者が取締役に入っている場合は、取締役会を設置し、取締役間の監視機能を働かせることをおすすめします。

◆取締役と監査役の任期

原則として、取締役の任期は2年、監査役の任期は4年です。株式に譲渡制限がついている会社は、定款で10年まで延長することができます。
取締役については、定款で任期を1年に設定することも可能です。任期を1年にすることで、毎年取締役の実績を見直し、改選手続きを行うことができます。

取締役会・監査役は必要なのか、任期は何年に設定するのが妥当なのか。取締役は同族で構成するか、それとも第三者を選任するか。将来を見据えて役員体制を見直してみましょう。

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