[小冊子03:海外赴任と外国人雇用]
本日は、なぜシンガポールに進出する企業が絶えないのか、いわゆるシンガポール進出のメリットについてお話をします。
なお、記載内容は弊社シンガポール支店に勤務している筆者(公認会計士)の私見です。
○政治が安定しており政府が効率的で汚職が少ないこと
海外進出にあたり考慮すべき事項です。シンガポールは政治体制も安定しており、経済に悪影響を及ぼすことが少ないように見えます。また、効率性を重視しているように見えますし、汚職も大変少ないといわれています。
○英語が公用語として使え提出書類も英語で済むこと。ビジネス会話も英語のみでよい
海外バリバリのかたでなくても、ある程度英語の素養があれば十分に対応できます。また、シンガポール人も日本人に合わせてくれます。
○資金決済や資金送金が他国にくらべ自由であること
ビジネスする上で送金が不便ですと大変困ります。この点シンガポールは問題ありません。
○設立が容易であること
法人設立だけなら1週間でできますが、就労ビザの発行もセットにすると、2ヶ月超は考えた方がいいと思います。しかしながら、他国よりは楽です。
○治安がよく駐在員及びその家族の安全も確保できること(女性も安心)
従業員を海外に送るにあたり、治安のよさも検討事項の一つになるかと思います。これは進出国というカテゴリーもありますが、その地域ごとに違ってくるのが実態です。
○車を保有する必要性が少ないこと
車を保有せざるを得ない場合は、コストもかさむ上に交通事故等のリスクも抱えます。シンガポールは基本的に車が不要な国です。タイやマレーシアは車が必要となるため、進出にかかるコストが多少上がってしまいます。シンガポールが10だとすると、タイやマレーシアは6から7程度のコストとなりますので、それほどシンガポールが突出して高いわけではありません。
○日本人弁護士や公認会計士等の専門家がそろっている
何かと便利だと思います。大企業にとっては間接部門系の統括拠点としてもってこいではないでしょうか。
○他国へのアクセスが容易
他のASEAN諸国へ2時間から4時間程度で行くことができます。また、シンガポールチャンギ空港までのアクセスもよく、日本の空港アクセスと比べて便利だと感じます。また、LCCを使えばコストも安いです。
○情報が集まりやすい
業種によっては、情報収集が鍵となる場合もあるかと思います。この点シンガポールは法律事務所や各企業主催によるセミナー等が頻繁に開催されており、非常に恵まれています。
○現地従業員が優秀。海外対応した人材が採用しやすい
シンガポールの人材はしっかり教育も受けており、仕事遂行の上で困ることはそれほど多くありません。なお、日本人従業員のように長時間労働をしたり、会社に忠誠心をもつように期待することは、文化の違いにより難しいように思います。これは他のASEAN諸国でも同様ではないでしょうか。
また、シンガポール以外でも活躍できる人材を求めるなら、日本で募集するよりもシンガポールで募集した方が集まりやすいでしょう。
○シンガポールの進出は、他のアジア諸国とセットにして進出を検討することで有意義な進出になることが多い。
シンガポール進出にあたっては、他のアジア諸国とセットとして計画されることをお勧めします。業種にもよりますが、シンガポールは人口500万台にとどまるので、内需は期待できません。
シンガポールに法人をつくり、シンガポール法人の子会社を他国で設立し、資金送金や配当金の還流、または、シンガポール法人による他のアジア諸国の事業買収を行うことが便利ではないでしょうか。キャピタルゲイン非課税ですので、事業再編もしやすい国です。
○香港との比較ではシンガポールに優位性がある。
シンガポールと制度が似た国として香港があります。しかし、中国の影響力が強まってきたためか、近年日本人の滞在数が減少しています。これに対してシンガポールは増加傾向にあります。
○初めての海外拠点を考えている方へお勧めの進出国。
ビジネスで成功するどうかは抜きとして、海外進出しやすい国であることは間違いないと思います。
具体的にシンガポール進出のメリットをお知りになりたい場合は、下記の弊社相談アドレスに御連絡ください。
また、弊社は定期的にシンガポール進出に関するセミナーや相談会を開催しています。
2016年9月2日(金)には、日本親会社・シンガポール子会社で気をつけたい税務・労務・ビザ・会計監査などのあれこれセミナーを開催します。弊社シンガポール支店に実際に勤務する筆者が日本に帰国し自ら講演をさせて頂きます。
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