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アジアブログ番外編-jetro山口ほか主催-インドネシア経済セミナーの講師を務めましたその3【TOMAシンガポール支店 公認会計士駐在の会計・税務事務所】

記事作成日2015/06/26 最終更新日2017/01/27

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[小冊子03:海外赴任と外国人雇用]

【はじめに】

5月29日に山口県で開催されましたインドネシア経済セミナーについての最終回です。

【シンガポール法人経由でインドネシア進出をおすすめする理由】

現在シンガポール駐在中の筆者がなぜインドネシア進出に関するセミナーで講演させていただいたかといいますと、

・日本法人から直接インドネシア法人に出資するケース(ケース1)

・日本法人がシンガポール法人を設立して、その後インドネシア法人を設立するケース(ケース2)

とで違いが生じる場合があるためです。

インドネシアではいわゆる外資規制があり、業種によっては日本法人からの100%による出資が認められないケースがあります。外資規制をうける業種で事業をするには、インドネシアでビジネスパートナーを探し、インドネシア法人と合弁会社を設立することとなります。

経験されている経営者の方も多いと思いますが、共同事業を長年続けていますと、新規出店先の決定や人事の決定、配当の決定など軋轢が生じることが多くあります。また、各出資元の社長がやがて交代することもあり、先代の社長どうしは仲が良くても、社長交代によりうまくいかないケースもあります。

ビジネスパートナーとうまくいかなくなると、合弁会社の株を他人に譲渡することによって合弁会社から離脱することが考えられます。

ここで、仮に日本法人が直接インドネシアの合弁会社の株を保有していたとすると(上記ケース1)、株式譲渡時に株式含み益に対して日本の法人税が課税されます。

しかし、シンガポール法人がインドネシアの合弁会社の株を保有していた場合(ケース2)は、株式を譲渡したとしてもシンガポールで法人税が課税されない可能性が高いのです。

【シンガポール法人を拠点にアジア各国に進出するケースも多い】

インドネシアの隣の国であるシンガポールは、法人税率が17%と低く、また会社設立も容易であることから、シンガポール法人を各アジアの会社を束ねる法人として位置づけるケースがあります。法人税率が低いシンガポール法人に資金を集め、インドネシアをはじめとする東南アジアの地域に進出するのも手です。また、シンガポール法人を起点としてM&Aを実施するケースも考えられます。

インドネシアに進出して成功を収めると、他国への進出を検討するケースが多く見られます。インドネシアのみに進出すると決めていればシンガポールに法人を作るメリットはありませんが、他国への進出も想定されているのであれば、シンガポール経由での進出も検討する価値はあるかと思います。

【インドネシアとシンガポール。それぞれの利点を生かそう】

インドネシアは人口2億を抱えるとともに資源もあり、親日的であることから比較的ビジネスがしやすく、また、今後爆発的な成長が期待できる国です。

その一方でシンガポールは小国ではありますが、法整備がされその運用もしっかりされていること、設立が容易である上に弁護士や公認会計士などの専門家もそろっていること、優秀な人材が確保しやすく、有利な税制も多いことが利点としてあげられます。

筆者の私見ですが、両国の利点を生かして進出を検討されることをおすすめします。2カ国は地理的に隣同士であり、移動も楽にできます。タイプの異なる両国のメリットを利用してみてはいかがでしょうか。

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