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敷地内薬局の増加と今後

記事作成日2018/11/05 最終更新日2021/07/28

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薬局は病院・診療所に近いほど便利だと思われていますが、両者が癒着してしまうと利益目的での過剰投与など患者の安全をおびやかしてしまうおそれがあります。
今回は、そんな利便性追求と独立性確保の間で揺れる「敷地内薬局」について考えてみたいと思います。

敷地内薬局問題

平成5年に厚生省より示された薬局業務運営ガイドラインでは、「薬局は医療機関から経済的、機能的、構造的に独立していなければならない」とされ、両者はフェンスや塀で仕切らなければ隣接できませんでした。
しかし、フェンスの迂回が高齢者などの利用者にとっては負担となっているとの改善要請から、平成28年に両者の構造的な独立性について規制緩和がされ、敷地内薬局の開設が可能となりました。
こうして増加している敷地内薬局ですが、患者の安全こそ最優先とする日本薬剤師会などは強く設置を反対しています。

現在の設置状況

平成30年10月5日に、大学附属病院などが参加している組織である国立大学付属病院長会議より「敷地内薬局」の設置状況の報告がされました。
この報告では参加する42大学45病院のうち、すでに4病院が敷地内薬局を設置しており、12病院が検討または準備中となっていました。
また、日本薬剤師会の調査では平成30年9月までの敷地内薬局の数は、33都道府県64施設にまで増加していることが分かっています。

厚生労働省の方向性と今後

厚労省が平成27年にまとめた「患者のための薬局ビジョン」では、積極的に地域住民の健康づくりをサポートする今後の薬局のあり方が示され、すべての薬局がかかりつけ機能を持つことをめざして中長期的に薬局を再編していくと公表しています。
医療機関とのアクセスの良さから注目され広がりをみせる敷地内薬局ですが、今後はかかりつけ薬局推進に合わせた安全性の担保と、アクセスの良さ以上の利便性をアピールした経営展開が必要なのではないでしょうか。

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