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宗教法人の税金シリーズ その2~固定資産税について~

記事作成日2017/02/07 最終更新日2021/09/27

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宗教法人に対する税金に対しては様々な優遇措置が定められています。第2回は固定資産税についてお伝えしようと思います。

第一回は消費税についてでした。こちらから>>宗教法人の税金シリーズ その1~消費税について~

宗教法人で非課税として扱われているもの

宗教法人の所有している固定資産のうち宗教法人が所有している、または無料で借り受けているもので宗教法人本来の目的のために使用されている境内建物及び境内地の固定資産税は非課税として扱われます。

境内建物とは?・・・宗教の教義をひろめ、儀式行事を行い、および信者を強化育成する目的のために当該宗教法人に固有の建物及び工作物(本殿、拝殿、本堂、僧院、社務所、教団事務所等)

境内地とは?

①境内建物が存する一画の土地
②参道として用いられる土地
③宗教上の儀式行事を行うために用いられる土地
④庭園、山林その他尊厳又は風致を保持するために用いられる土地
⑤歴史、古記等によつて密接な縁故がある土地

境内建物及び境内地に該当する場合固定資産税は非課税となります。ただし、第三者から建物や土地を有料で借り受けている場合は、境内建物や境内地に該当している場合でも貸している者に固定資産税が課される形となります。

境内地の判定が争われた事例

実際にこの境内建物及び境内地の判定が争われたケースがあります。

宗派不問の納骨堂の一部に対し、別会社に販売業務を委託していて広く使用者を募集していた事などをあげ、本堂部分以外は境内建物及び境内地に当たらないとし、都が固定資産税を課税したというケースがあります。

宗教法人側の主張として宗旨を問わない事について「教義を広めてあまねく人に仏の慈悲をもたらす機会を与える」と主張したのですが、判決においては、「宗教団体としての主たる目的を実現するために使用している状況にあるとは認められない」として固定資産税課税処分は適法であるとされました。

宗教法人に対する税金にはさまざまな優遇措置が認められていますが、非課税の対象外であると判定された場合、後で多額の加算税等を加えた税金で支払う事となってしまいます。判定については専門家に意見を聞くなど慎重にしていく必要があります。

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