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税務調査の際の罰金「重加算税」とは

記事作成日2020/03/25 最終更新日2020/12/18

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事実とは異なる申告をすることや、税金を納付期限まで支払えなかった場合などには、本来の税金に加えて延滞税・過少申告加算税・無申告加算税・重加算税が課せられます。その中でも35%~45%という非常に高い税率なのが、重加算税です。

重加算税が課せられてしまうと、税金額が増えてしまうばかりでなく、税務署に目を付けられてしまうなどの不利益も被ることになってしまいます。では、税務調査の際の罰金でもある重加算税とは、一体どのようなものなのでしょうか?

重加算税とは

重加算税とは、本来申告すべき事実を「意図的に隠ぺい、または仮装」していた場合に課せられる税金のことを言います。簡単に言えば、本来申告する義務があった事実を「わざと」隠すことや、「わざと」ねじ曲げたと判断された場合にかかる税金のことです。

重加算税の税率は35%(2017年以降は、過去5年以内にも重加算税や無申告が指摘されている場合には、常習的と判断されて45%が適用される場合もあります)と非常に高いため、税務処理を行う上で絶対に避けたいものでもあります。

また、重加算税が課せられることは、脱税と同じような意味で受けとめられてしまうことから、税務調査の対象にも挙げられやすくなってしまいます。さらに、本来の税金の納付期限を過ぎている場合には、重加算税に加えて、延滞税も加算される場合があります。

重加算税の計算方法(延滞税も加算される場合)

たとえば、税務調査において200万円の申告漏れがあり、これが重加算税の対象であると判断された場合(※1年間延滞・過去5年以内の重加算税・無申告歴なしとして仮定)には、200万円(本来支払うべきだった税金)+70万円(200万円×重加算税35%)+18万円(200万円×延滞税率9%×1年)の合計で288万円も支払わなくてはいけないことになるのです。

重加算税の対象になるもの

上記でご説明したように、重加算税の対象となるのは、「意図的に、わざと」税金を少なくするような脱税行為が認められた場合です。具体的には下記のようなケースが考えられます。

・外注費を経費として計上しているが、実際に外注した事実はなかった(架空の経費計上)
・二重帳簿(本当の数字が書かれている帳簿と、税務署に提出するための帳簿がある場合など)
・税金を安くするために、実際よりも売り上げを少なく申告した
・領収書の偽造や改ざん
・架空の取引先名を使っていた

重加算税が課せられるケースはほかにもありますが、いずれにしても「わざと、意図的に」脱税につながるような行為をしていた、と判断された場合にはその対象となります。

 重加算税の対象にならないもの

同じように申告額が間違っていたとしても、重加算税の対象とならないケースもあります。具体的には下記の3つになります。

・本年度に入れるべき売り上げを、翌年度に入れてしまった
・本来経費にならないものを、経費として計上してしまっていた(※実際に購入した事実がある場合に限る)
・単純な計算間違いなど、経理の担当者によるミス

ここまで見てきたように、重加算税の対象となるかならないかは、いずれも「わざと、意図的に」事実とは違う申告をしたかどうか、という点が大きなカギとなっていることがわかりますね。

稀なことですが、税務調査で間違いが見つかった場合において、税務官によってはこちらに理由を告げることなく「重加算税に相当する」と判断するケースもあるようです。しかし、それが意図的な間違いではない場合には、きちんと説明して撤回してもらうようにすることも大切です。

まとめ

重加算税の対象となると判断されると、本来の税額に加えて35%(常習性があると判断された場合は45%)もの重加算税を支払わなくてはなりません。また重加算税が課せられることによって「脱税の可能性あり」とみなされ、税務調査の対象となりやすくなるなど不利益なことが非常に多くなってしまいます。

そうなってしまうことを避けるためには、日々の税務処理を出来る限り「正しく、適切に」行うことが、何よりも大切です。

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