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税務調査の時に「更正」と言われた場合は?「修正申告」との違いとは

記事作成日2020/03/25 最終更新日2021/01/22

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税務調査で、過去に行った申告に何らかの誤りが指摘された場合は「更正」や「修正申告」をする必要があります。しかし、この2つは一体どのようなものなのでしょうか?ここでは、更正や修正申告に関して説明を行います。

■更正と修正申告について徹底解説!

そもそも、更正とは一体何なのでしょうか?また修正申告と何が違うのでしょう?

◇更正と修正申告の違い

税務調査の中で、税務署から指摘を受けた際に自らの誤りを認め、自主的に本来払う税金の申告をやり直すことを「修正申告」と言います。

それに対して、税務調査の中で税務署から指摘を受けたが納得することができず、修正申告に応じなかったところ、税務署側が申告の誤りを正すことが「更正」です。

実際の税務調査では、まず誤りがある箇所に関して修正申告を行うよう税務署に告げられます。ですが、それに関して不満や納得できないなどの理由で納税者が何もしない場合は、税務署側が更正を実施します。

◇更正されても特に不利益はない

指摘された申告の誤りを自ら正さず、税務署側が誤りを正すとなると税務署からの印象が悪くなるのではないか、と思う方もいるかもしれません。ですが、実際は更正されたからといって、税務署から印象が悪くなったり不当な扱いを受けることはないです。

また、修正申告と更正では支払う追徴税額は同じです。要するに追徴税額の修正申告が80万だと、更正でも80万です。つまり、自分で誤りを認めて修正申告をしても追徴課税が減額されるわけではありません。裏を返せば、税務署からの指摘に納得できず、更正処分になったとしても追徴課税が増額されるわけではないのです。

というわけで、修正申告も更正もどちらが不利ということではないので安心してください。

更正に不服がある場合はどうすればいい?

では税務署側から更正をしてもらっても納得できない場合はどうすればいいのでしょう?

◇更正された場合には不服申し立てができる

不服申立てとは、税務署による指摘に納得できない場合に国税不服審判所などに訴訟を起こすことです。

更正の場合は税務署が過去の申告の誤りを正すので、その内容に納得できないなら不服申立てをして争うことが可能です。それに対して修正申告は、自ら過ちを認めことを意味するものなので不服申立てはできません。

◇ただし訴訟をすると時間的・労力的コストがかかる

もし、更正により訴訟までいくと手続きに莫大な時間がかかる上、労力も必要になります。なので、顧問の税理士や担当者としっかり相談して訴訟をするかしないかを判断することをおすすめします。

■税務職員は修正申告をしてもらいたい

更正をしてもらう方が不服申し立てもできるので、納税者側からすると良いように見えます。

しかし税務職員の立場からすると、更正することは極力辞めて納税者自ら誤りを認めてもらい、修正申告を出してもらいたいと考えている場合が多いです。ではそれはなぜなのでしょうか?

◇更正手続きはとても面倒

更正手続きは、統括官や署長の決済の他、国税局の国税訟務官などからも決済をしてもらう必要があります。また、それに加えて更正をするためには誤りの指摘事項を法律などの根拠に則って明確にしなければなりません。そのため、手続きがとても面倒なのです。

しかし、それゆえ指摘された内容に納得できない場合、更正をしてもらった方が有益とも言えます。

◇安易に判断するのはダメ

税務署に修正申告を求められた際に「なんだか面倒だし、これでいいや」と安易に応じるのではなく、指摘された誤りをしっかりチェックした上で判断することが大切です。

納得しないまま修正申告を提出することは避けましょう。よく考えて、納得したうえで修正申告をするか更正をするか決めることが大切です。

■まとめ

もし税務署から申告に関する誤りが指摘された際に、納得できれば修正申告、どうしても納得できないなら更正を行いましょう。後になって後悔しないように、しっかり考えたうえで修正申告か更正かを選択することをおすすめします。

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