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税務調査に選ばれる理由はどんなことがあるのか

記事作成日2020/03/24 最終更新日2021/01/22

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きちんと税金申告をしているつもりでも、いざ「税務調査が入る」と言われると、ドキッとしてしまう方も多いのではないでしょうか。調査そのものはもちろんのこと、準備を整えるための手間も時間も必要となります。できれば避けたい…というのが、納税者側の本音なのかもしれません。

とはいえ、公平な税負担のために、重要な役割を担っているのが税務調査です。税務調査の内容と共に、税務調査に選ばれる理由について解説します。

■税務調査とは

まずは税務調査とは、いったいどのような調査なのかということです。税務調査は、会社がそれぞれで申告している内容が、正しいかどうか、確かめる目的で行われています。調査を行うのは税務署員で、「質問検査権」という権利を持って調査を実行しています。

■税務調査に選ばれる理由とは

税務調査は、毎年全ての企業に対して行われるわけではありません。基本的には、「税務署管轄エリア内の対象法人を順番で回っている」と考えて良いでしょう。「まだ一度も来たことがない」という場合は、単純に「まだ順番が回ってきていないだけ」とも考えられます。とはいえ、事業内容や過去の調査状況、売上などによっては、「通常よりも税務調査に選ばれやすい」ということもあります。税務調査に選ばれやすい理由としては、以下のようなものが挙げられます。

◇売上が急激に伸びている会社
これまで売上が上がったり下がったりを繰り返していた企業が、突然売上を大幅に伸ばした場合、税務署からのチェックを受けやすい状態になります。「急激に売上が伸びている裏には、何かあるのでは?」という疑念から、調査が入りやすくなるのです。
また、売上を多く上げている会社に対して申告漏れを指摘すれば、より多くの追徴課税を得ることができます。このような理由から、赤字の会社よりも黒字の会社の方が、税務調査の対象になりやすいです。

◇過去に追徴課税を支払っている場合
過去の調査で申告漏れや誤りを指摘され、追徴課税を支払っている場合も、税務調査の対象になりやすいです。過去の問題が解決されているかどうか、チェックするのも税務署の仕事となります。該当する場合には、一度調査を終えたからといって、気を抜かないようにしましょう。

◇少しだけ赤字、少しだけ黒字の会社
一年間経営を行った結果、「ほんの少しだけ赤字」「ほんの少しだけ黒字」となるケースも決して少なくありません。しかしこちらも、税務調査の対象となりやすい例となります。税務署からすると、「どこかで調整しているのでは?」と疑いやすいポイントとなりますし、ほんの少しミスを指摘しただけでも、結果が大きく変わることもあり得るからです。
また、「赤字の会社は税務調査の対象とはならない」と考えている方もいますが、こちらは間違いです。経営状態が赤字であっても、税務調査に選ばれる可能性はあります。きちんと申告することが重要です。

◇特定の業種に当てはまっている
税務調査においては、「特定の業種は調査対象になりやすい」という事情があります。この「特定の業種」には、以下のようなものが当てはまります。

・病院や医療関係
・不動産業
・建設業
・パチンコ店
・宗教法人
・弁護士

これらの業種に当てはまる場合には、いつ調査が入っても大丈夫なよう、特に念入りに準備を整えておきましょう。

◇税理士が不関与の会社
確定申告の際には、税理士のサポートを受ける企業も多いはずです。しかし中には、全てを社内で完結しているケースもあるでしょう。このような場合には、申告時に外部のチェックが入っていないことになります。申告段階から税理士がサポートしているケースと比較して、当然ミスも多くなりがちですから、税務調査の対象になりやすいと言われています。

■まとめ

税務調査の対象になったからといって、必要以上に焦る必要はありません。とはいえ、実際に選ばれてしまったときには、適切な準備をした上で調査を受けることが大切です。
もし自身の会社が、今回紹介した「選ばれやすい理由」に当てはまっているとしたら、できるだけ早い段階から適切な準備を整えておくのがオススメです。税務調査を、上手に乗り切りましょう。

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