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税務調査に必要な書類とは?領収書などを紛失した場合はどうすればいいのか

記事作成日2020/03/24 最終更新日2021/03/29

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税務調査はイレギュラーで調査官が会社へ訪問し、申告書の内容とデイリーや月次でまとめられた帳簿との整合性を確認するものです。その中で更生すべき箇所があれば過去5年さかのぼって指摘されることがあります。

では、税務調査に必要な書類はどのようなものでしょうか。領収書など、添付することが望ましい書類をなくしてしまった時の対応についてもまとめてまいります。
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税務調査に必要な書類は何がある?

税務調査を行う旨の事前通告があった場合、必要な書類を期日までにそろえ調査官を迎える必要があります。では、どのような書類をそろえる必要があるのでしょうか。

会社の概要・統括的情報

書類ではありませんが、まずは会社の概要を税務調査官へ伝える必要があります。

・設立年月日、資本金、会社所在地等
・事業内容、主な取扱商品
・取引金融機関
・本社以外の拠点所在地
・主な売上先や仕入先
・現在の会社の組織図、役員の状況、従業員の職掌等

これらのことが記載された会社のパンフレットなどがあればそれを渡しても構いませんが、無い場合は、会社の全部事項証明書(登記簿の写し)や、現在の会社の概況を示す書類を準備しましょう。

必要に応じて、就業規則や給与規程(役員報酬や、退職金等の規程も含む)、株主総会議事録等も準備しておくと安心です。

揃えるべき帳簿書類等

ここからは、税務調査に必要な書類です。

①帳簿書類
総勘定元帳や、現預金出納帳、取引がある金融機関すべての預金通帳や小切手帳も準備します。出金伝票などがあれば、そちらも準備しましょう。欠損金の繰越期間内であれば、欠損金が生じた事業年度の帳簿書類も準備します。このほか、売掛・買掛の台帳と固定資産台帳なども準備しましょう。

②領収書・請求書関連書類
各種経費支払いの根拠となる領収書や旅費精算書は、現預金出納帳とリンクさせる部分もありますので必ず準備しましょう。交際費等支払いの根拠になる稟議書なども準備することをお勧めします。このほか、仕入や売上に関する納品書や請求書はもちろん、売上金の回収のために使用した領収証の控えも準備します。

会社で発行する領収証は使用済みの受払状況と、未使用分の在庫も確認されることがあります。受払簿があれば準備をしましょう。

③労務関係書類
給与台帳や、源泉徴収・年末調整等の関連資料は必ず準備します。給与支払い明細等もそろえておくとスムーズです。

また、社員名簿や勤怠の根拠となるタイムカード、雇用契約に関する書類や外注・請負等の契約区分を示した書類等も準備しましょう。外注や請負に関して源泉徴収を行っている場合は、源泉徴収に関する書類も準備しましょう。退職者に関する退職所得の受給に関する申告書などもあれば準備します。

④契約書等関連書類
法人名義の賃貸契約書やリース契約書、団信保険等の生命保険証書のほか、不動産売買契約書などがあれば準備をしましょう。掛金などの支払いがあれば、現預金出納帳とリンクさせておくと説明しやすくなります。

事前通告では、申告書を提出した年を含めた3事業年度分の書類をそろえるよう指示されることが一般的です。すべて提示するのではなく「指示されたらスムーズに出せる」程度に準備しておくとよいでしょう。また、過去5年分の書類の提示を求められることもありますので、こちらも「指示されたらスムーズに出せる」程度の準備をしておくとよいでしょう。

必要書類を紛失した場合はどうすればいいのか

支払いや収入の根拠であり、領収証や請求書等ありきの会計となるので、帳簿書類とともに保存する必要があります。実際「紛失」はあり得ない状況なのですが、中には貼付忘れなどが原因で根拠となる書類がないという場合もあります。

一部紛失の場合の対応

①再発行を依頼する
請求書に関しては、相手企業へ依頼をすることで再発行してもらえます。領収証などについては、発行時のコピーなどをもらえる可能性がありますが、コンビニやスーパーのレシートではそれはできません。

②相手先へ領収や支払いの証明書を発行してもらう
相手先の企業に入出金の根拠となる書類が残っている場合は、その書類のコピーや支払い(領収)証明書を発行してもらうことも一案です。ただし、自社の会計書類を外に出すことにもつながるため、この方法は難しいこともあるようです。

③入出金伝票のコピーを添付・支払証明書を作成する
経理サイドで出納処理を行った入出金伝票のコピーを添付するほか、出納日・内訳・金額等を記載した支出証明書を作成する必要があります。

もし、大半の領収証等を紛失していたら

入出金の根拠となる書類や帳簿書類の一部がない状態であれば、「使途不明金」とせざるを得ない状況になります。できる限り支出の根拠となる書類を探し出すことが大切です。

ただし、税務署では「反面調査」として取引先へ調査に乗り出すこともできる状況です。これで支出の整合性が認められればよいのですが、取引先の業者へ迷惑をかけてしまうという誤算も生じます。反面調査を回避したい場合、レシート等がない部分の支出に関しては経費計上をあきらめ、修正申告を選択することも一案です。

修正申告を行うことで、過少申告加算税や重加算税といったペナルティを回避することもできます。税務調査に入るからという理由で、性急に「雑損失」や「雑所得」などへ振替をしないことをおすすめします。

まとめ

税務調査に関しては、突然通告が来るため心構えもできないということもあります。ですが、きちんと書類を準備したうえで整合性の取れた受け答えができれば大丈夫です。そのためにも、日ごろから「帳簿・通帳・根拠書類(領収書・請求書)・現預金」をリンクさせた会計を心がけましょう。

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