税務調査が自社に入る可能性があるのか、気になる事業主は多いでしょう。税務調査はランダムに選ばれているわけではなく、業種や経営状況などの条件によって選定されているのです。
そこで、税務調査が入りやすい業種とその理由についてご紹介します。
目次
■税務調査が入りやすい業種とその理由
税金を徴収しやすい黒字企業や、不正の疑いといった条件に加え、税務調査が入りやすい業種が存在します。そして、特定の業種が税務調査の対象になるのは、それぞれに理由があるのです。
◇建築業
震災や洪水などの災害やオリンピックなど、建物の建築が急激に増えることがあります。そのような「特需」が生まれる建築業は、税務調査が入りやすいのです。
◇太陽光発電関連業
震災による原発事故で原発離れが加速したことで、自然エネルギーである太陽光発電関連の企業が急成長しました。このようなトレンドによって利益を伸ばしている企業は、税務調査の対象になりやすいのです。
◇IT関係やインターネットビジネス
IT企業などのインターネット関連事業は急成長を遂げているため、税務調査が入りやすいといわれています。しかし、理由はそれだけではなく、ネットビジネスは取引の記録がネット上にすべて記録されているからです。税務調査は税金を徴収することも目的のうちなので、記録があると申告漏れなどの調査を効率よく行うことができます。
また、全国の国税局では「電子商取引専門調査チーム」を設置し、仮想通貨やフリマアプリといった電子商取引の監視に力をいれています。チームにはネットビジネスに精通する調査官を配置しており、確実に税金を徴収するという証拠といえるでしょう。
◇現金を扱う業種
現金を扱う業種が税務調査の対象になるのは、売上をごまかしやすいことと、納税意識が低い事業主が多いという点があります。
バーやクラブ、居酒屋などの飲食店やパチンコ店は、国税庁の「不正発見割合の高い10業種」に毎年ランクインしているのが動かぬ証拠でしょう。また、パチンコ店や風俗店などは、売上を操作して税金逃れをすることが他の業種より多くあるようです。
◇美容関連業
美容院やネイルサロン、エステサロンなどの美容関連も、税務調査の対象になりやすいといわれています。これらも現金商売であることと、トレンドによって急成長する企業が多くあるからです。
■税務調査の対象になる条件とは
税務調査の目的とは、税金の申告漏れを調査し、税金を確実に納めてもらうことです。そのため、税務調査の対象となり得る条件は次のことが挙げられます。
・赤字から黒字に転換した
・トレンドや特需によって業績が急成長した
・売上が上がっているのに利益が少ない
・店舗が増えているのに売上が上がらない
・代表者なのに給料が少ない
税務調査は、業績が黒字の企業を対象とすることが多くあります。なぜなら、収益が多い企業は申告漏れが起きやすい上に、追徴課税があっても税金を納める能力があるからです。
また、黒字経営に限らず、売上が増えているのに利益が少ないという架空経費が疑われる場合や、黒字を赤字に見せる粉飾決算といった、「不正の疑い」がある企業も税務調査の対象になります。不正による赤字は国税職員に見抜かれて税務調査が入りますが、明らかな赤字は追徴課税が発生しないので、対象外となる可能性が高いでしょう。
ただし、決算書が赤字の場合でも、「消費税」の納税が発生することもあるので注意が必要です。
■まとめ
税務調査の対象になりやすい条件と業種について、お分かりいただけましたか?架空経費や粉飾といった不正が疑われる企業は、必ず税務調査が入るといっても過言ではありません。また、急成長している業種や、現金を直接やり取りする業種も同様です。正しい税務処理と申告をすることで、税務調査が入っても慌てないようにすることが大切です。
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