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税制改正はどのような流れで行われるのか

記事作成日2020/03/24 最終更新日2021/12/27

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税制改正は毎年行われるため、経営者にとって一番気になる政策といえるでしょう。しかし、税制改正をどのような流れで行っているのか、ご存じない方も多いはずです。税制改正の流れやスケジュールを知ることで、改正案の情報をもらさずチェックしましょう。

なぜ毎年税制は改正されるのか

税制改正とは、税金に関する制度を見直しすることです。なぜ税制改正が毎年行われるのかというと、国の財政状況と税制は直結しているためです。

たとえば、所得税や法人税を引き上げた場合、働く世代に税負担が重くのしかかります。それよりも世代問わず国民全体で負担できる、「消費税」を引き上げることが最善策として法案に上っているのです。

税制改正の流れを全体的に解説

税制改正は、以下の手順を経て法律として制定されます。この流れを要望の提出が開始する8月頃から順に、詳しい内容を解説します。

8月頃:各省庁から税制改正要望が提出

業界団体や税理士会などや各省庁から、来年度の税制改正の要望案が集められ、財務省と総務省に提出します。

財務省は国税、総務省は地方税に関する要望と、担当する機関が違うのが特徴です。また、同時期に支出である「概算要求」も提出する必要があります。

9~10月頃:政府税制調査会の議論

税制調査会は内閣総理大臣の諮問機関で、学者や経営者などの有識者が集まって「税制のあり方」について議論します。近年では、社会情勢に基づき、配偶者控除などの大きな影響をもたらす税制改正を中心に議論することが多いようです。

11~12月頃:与党税制調査会の議論

与党税制調査会とは、自民党と公明党の税制調査会のことを意味します。現在のように政党が2つある場合は、双方の意見を擦り合わせる「与党税制協議会」があるのが特徴です。この議論は以下の手順を経て、税制改正大綱へと絞り込みを行います。

・総会
・部会要望のヒヤリングを行い、各部会の要望項目を決める
・主要項目の議論(税制引き下げや配偶者控除の見直しとなど)
・マルバツ審議(税制改革項目を一覧にして、必要不要でふるいにかける)
・マル政処理案審議(政治的要素が強い法案を、政策的問題として検討すること)
・最終処理案(税制改正大綱に近付けること)

12月中旬:与党が税制改正大綱を発表

税制改正大綱は法案の原案となる重要なもので、税制調査会を中心に、翌年以降の改革案を検討した案をまとめたものです。これには法案の具体的な内容が記されており、大綱を見ればおおよその税制改革の内容が分かるといわれています。

12月下旬:政府が税制改正の大綱を発表

税制改正大綱をベースに、財務省と総務省が「政府の税制改正大綱」と「地方税制改正案の概要」を取りまとめます。与党と政府の大綱の違いは、「のが入っている、記載内容は改正項目のみ、税収の影響額を記載」という点で、それ以外は与党の要綱と変わりありません。

与党側は国会議員の議員立法であるのに対し、これは「内閣」が提出するために、似たような大綱を発表しているのです。

また、1月頃には税制改正大綱を政府案として要約した、「税制改正要綱」を提出、閣議決定を受ける必要があります。

2月頃:税制改正法律案を国会に提出

政府が税制改正法案を通常国会に提出し、衆議院から参議院の順で審議と採択が行われます。この場では法案の修正はほとんど行われず、採択するかの議論をするのが特徴です。

3月頃に税制改正法案の可決、4月に改正税法が施行

3月下旬までに税制改正法案は国会で可決・成立されてから公布となります。

そして、可決された税制改正関連法は、4月1日から施行されることが原則です。一部の法律は経過措置によって、施行時期が4月1日以外のものもあります。

まとめ

税制改正のスケジュールと内容について、お分かりいただけましたか?税金は社会情勢と連動する必要があるため、法案の議論から施行までを毎年行っているのです。また、税制改正大綱の閣議決定案は、財務省のホームページから見ることができます。来年度の税制について早く知りたいなら、大綱をチェックすると良いでしょう。

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