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中小企業のためのグループ経営戦略 ~成長スピードを上げるためのM&A

記事作成日2018/02/09 最終更新日2019/12/25

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前回まで4回にわたって多角的経営を行う経営者の共通の悩みについて、お話してきました。
これからは、グループ経営の成長戦略について見ていきます。

問題:会社の成長が止まってしまっている

会社の成長過程で、十分に資金力をつけていたとしても、事業の成長が伸び悩んでいくと、競合他社に負け、会社が衰退していく恐れがあります。時代の流れに対応して、既存事業に新しいものを取り入れていくことなどで、事業を続けていくことはできるかもしれませんが、成熟した事業を更に成長させていくことは困難です。
会社を存続させていくためにも、成長を止めることはできません。更なる会社の成長のためにはどのようにすればよろしいでしょうか?

検討:M&Aによる成長戦略

この問題を解決するためには、新規事業を取り入れることを検討します。
新規事業を取り入れるための方法として、自ら新しい事業を始める方法と、既存の会社を買収する方法、つまりM&Aによりその会社をグループに取り込む方法の2つがあります。
自ら新しい事業を始める方法は、その事業の仕組み作りや、計画の立案・作成をしなければなりません、また、各種申請や届出が必要になりそれに伴う許認可に時間がかかります。さらに、その事業を稼動させるためには、経験のある従業員が必要になるので、その人材の採用もしなければなりません。これらには多大な時間と労力が必要になり、見通しも不透明なところがあります。
一方、M&Aによる方法は、既存の会社を取り込むことができるので、上記のように自ら新しい事業を始めるよりも早く自社グループの成長スピードを上げることが可能です。ただし、その会社の財務的・法務的実態を正確に把握していないと、買収後にトラブルが生じる恐れがあります。そのために、会社を買収するためのデューデリジェンスなどの手続きを入念に行う必要があります。

M&Aのメリットとデメリット

メリット:自社に必要な事業を早く取り入れることができる

デメリット:資金力が必要。対象会社のリスクを負う可能性がある

問題の解決

日々変わる経営環境の中で、会社の存続させるためには、スピードのある事業構造改革が必要です。資金力がある場合には新規事業を一から始めるよりも、M&Aで既存の会社を買収した方が素早く会社の成長を進められます。
製造業が商社を買収した事例では、取引先が増えず成長が伸び悩んでいた製造業者が、多様な販路を持つ異業種の商社を買収したことにより、相乗効果が生まれ販路が拡大し、更なる成長が可能になりました。
このように、新規事業を入れることで伸び悩んでいた既存事業の成長に相乗効果をもたらし会社全体の利益を増やすことが期待できます。

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