2022年9月27日

「心理的安全性」とは?部下との接し方、コミュニケーションにお困りの方必見!

人材育成 組織開発

部下をお持ちの方にとって、部下と良好な関係性を築くことは永遠のテーマの一つではないでしょうか?部下とのコミュニケーションがうまくいけば組織は盤石となり、会社が大きく発展するエンジンとなります。では部下との良好な関係を構築するにはどうしたらよいか。その答えの一つとして、職場における「心理的安全性」を高めることが挙げられます。

今回は心理的安全性とは何か、また心理的安全性に溢れる職場環境を構築するのに有効な「1対1面談」について解説したいと思います。現在、上司の立場で部下とのコミュニケーションに悩まれている方は本記事を参考にしてみてください。

「心理的安全性」とは

心理的安全性とは、組織に所属する一人ひとりがチームに対して気兼ねなく発言でき、自然体でいられる雰囲気のことで、ハーバード大学で組織行動学を研究するエイミー・エドモンドソン(Amy C. Edmondson)氏が1999年に提唱した概念です。

離職率が低いことで有名なグーグル社では、プロジェクトを組み大規模な調査を行った結果、心理的安全性が成功するチームの構築に最も重要であると指摘しています。近年では組織を結束させる手段として、日本でも注目する企業が増えています。


「心理的安全性」を高めるメリット

心理的安全性が高まり始めると、職場には多くの好影響=変化があらわれます。

メリット1 多様な発想が出る

上司は、長年業界に精通してきた豊富な経験や知見があり、企業にとって欠かせない力を有しています。一方で新しい意見が出にくかったり、考えが保守的になりがちになってしまうことは少なくありません。心理的安全性のある環境は部下が臆せず意見を言える環境です。まだ何者にも染まっていない若い人材から生まれる斬新な意見は企業を変える一策となるかもしれません。

メリット2 職場に活気が生まれる

上司と部下の対話が増えれば、オフィスには活気が生まれます。さらに結果が伴い始めれば、職場はさらに明るくなるでしょう。

メリット3 積極的な行動を促せる

言われるまで動かない指示待ち人間ではなく、自ら動いて仕事に取り組む能動的な人材が増えます。

メリット4 新入社員が成長する

積極的に意見を言い、自ら動く。そんな社員は成長も著しく、いち早く組織の戦力となってくれるでしょう。

心理的安全性がもたらすメリットの図解


心理的安全性を高める上司・管理職の行動とは

では、心理的安全性のある職場にするために、上司や管理職はどんな行動を心がければよいのでしょうか。

行動1 上司自らが自己開示をする

部下に心を開いてもらうにはまず、上司自ら自己開示をすることが大切です。ビジネスライクでありながらも、上司が本心を見せることで部下も徐々に心を許し、「この人になら相談しても大丈夫」と思ってもらえるようになります。

●お客様との関わり方で大切にしていること
●過去の失敗談
●部下の趣味や興味関心があることを聞く

どんなことを話せばよいかわからない場合は、上記のような話題を参考にしてみてください。ただし、一方的な自慢話や成功談は禁句です。部下が親近感を持てる話題を選択しましょう。

行動2 自分からコミュニケーションをとる

あいさつ・感謝・雑談は、チームに【安心】を生み出す魔法の言葉です。上司からコミュニケーションをとってもらえると、部下は「組織の一員として認められている」、「自分に関心を持ってもらえている」と感じます。

●出社や退社時
●部下からの報連相を受けた時
●会議や面談が始まる前

特に上記のようなタイミングでは忘れずにコミュニケーションを取るようにしましょう。

心理的安全性を高める上司の行動「コミュニケーションは自分から」の図解

行動3 共通の価値観を持つ

「社員の幸せをつくるため」「お客様の力になるため」など、仕事における共通の価値観を持つことも大切です。共通の価値観があると、部下は意見を述べたときに受け入れられるかどうかを判断できるからです。「意見を言っても大丈夫かな…」と不安になることがなくなります。

心理的安全性を高める上司の行動「共通の価値観をもつ」の図解


心理的安全性を低下させる上司・管理職の発言とは

心理的安全性を高める行動と同じくらい重要で覚えておかなければならないのが心理的安全性を低下させる発言です。もし、あなたが以下に挙げる発言を一つでも行なっているなら、今日から控えるようにするとよいでしょう。

□「忙しいんだからそれくらい自分で考えてよ。君の仕事でしょ?」
□「このくらいのことはできて当然だよ」
□「そんなアイデア、どうやって実現するつもり?無理だよ」
□「(ミスや失敗があった際に)だから言う通りにしておけばよかったのに」
□「ろくに経験も積んでいないのに何を言っているんだ」

これらの発言をしてしまうと、部下の行動は以下のように変化します。

●自分の意見を言わなくなる
●上司に相談することをためらうようになる
●(会議の場などで)自分には発言権がないと思うようになる
●自分で考えて行動しなくなる
●疎外感を感じるようになる

心理的安全性を低下させる上司の言動の図解


心理的安全性を高めるには本音で語れる【1対1面談】が有効

部下とじっくりコミュニケーションを取りたいけど、勤務中に時間を取るのが難しいと感じる方もいるでしょう。そんな時、ぜひ取り入れてもらいたのが1対1面談です。心理的安全性を高める解決策の一つとしてさまざまな企業が取り入れています。

1対1面談は上司と部下が定期的に短時間で行う面談です。部下が仕事で直面している難題や、今後のビジョンをヒアリングすることで人材育成やコミュニケーションの促進に役立てることを目的として行います。

1対1でじっくりと対話できるため、リーダー自らが自己開示をし、共通の価値観を共有するには絶好の環境といえます。また部下にとっても「上司が自分に向き合ってくれている」と実感できるため、うまく活用できれば確固たる信頼関係を築けます。

心理的安全性を高める1対1面談の効果を解説した図解

しかし、1対1面談はただ個別で面談すればよいと軽く考えてはいけません。やり方を間違えると、逆に部下が心を閉ざしてしまうこともあるのです。

よくある間違った例として、部下をとにかく褒めてしまうケースがあります。褒められて嫌な気持ちになる人はいないだろうと思うかもしれませんが、仕事において褒めることは必ずしもポジティブに作用するとは限りません。

なぜなら褒めるという行為は、相手が能力以上の働きをしたと感じた時にする行動だからです。箸を使い始めたばかりの子どもに対して、ご飯をこぼさずにきちんと食べられたね、と褒めたら喜ぶかもしれませんが、大人に対して同じことを言えば相手は馬鹿にされたと感じるでしょう。

そのため、しきりに褒めた結果、部下は「上司は私がこんなかんたんな業務すら満足にできないと思っていたんだ…」と受け取る可能性もあるのです。

このように、1対1面談は万全の事前準備と上司の面談スキルがうまくリンクすることではじめて効果を発揮します。以下の記事では1対1面談を成功に導く5つのステップ、よくある失敗事例やコミュニケーションのテクニックまで、詳しく解説していますのでぜひ以下の記事もご覧ください。

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TOMAのコンサルティングが多くの企業から高い支持を受けるのには理由があります。

まず、研修だけで終わりにはせず、1対1面談の制度設計からお手伝いします。企業によって状況は異なるため形式的な一般事例だけをお伝えしてもなかなかうまくはいかないからです。

次に、TOMAは中小企業に特化したコンサルティングを得意としています。豊富な実績の中から的確なアドバイスが可能です。

最後に、アフターフォローが充実しています。分からないことや困ったことがある時に相談できるよう、導入後は3か月~運用フォローを実施します。

心理的安全性を高めるTOMAの1対1面談コンサルティングのポイントをまとめた図解

この他にも、費用感に合わせた選べるプランや幹部の方への個別研修など、さまざまなニーズに合わせたサポートをご用意しています。どんな些細なことでも構いませんので、お気軽にお問合せください。なお、サービスはこちらからご覧いただけます。

著者情報

TOMAコンサルタンツグループ株式会社 取締役 人材開発コンサルタント

TOMAコンサルタンツグループ株式会社 取締役 人材開発コンサルタント

市丸 純子

2013年TOMAコンサルタンツグループ入社。現在はグループ内の長期ビジョン実現に向けた特別プロジェクトのマネージャーを務め、自社内の組織開発・人材開発に携わる。また、その経験を活かし、「100年企業を創る」をモットーに、多くの中小企業に向けて人材開発コンサルティングを提供している。

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