2025年4月18日

【事例紹介あり】役員・後継者候補の育成に悩む中小企業の経営者や人事担当者に、次世代リーダー育成のポイントをお教えします。

人材育成 組織開発

「次世代の経営を担う人材をどう育成すべきか?」この課題に頭を悩ませる中小企業の人事担当者や経営者の方は多いのではないでしょうか。優れた役員候補・幹部候補を育てるには、単なるスキルや知識の習得だけでなく、経営視点や意思決定力、リーダーシップの醸成が不可欠です。

しかし、適切な育成方法が分からず、結果的に現場の管理職がそのまま昇進するだけになっているケースも少なくありません。

そこで今回は、中小企業の人事担当者や経営者が知っておきたい、次世代経営幹部に求められる資質や実践的な研修サービスの紹介、育成プログラムを整備する際のポイントなどについて解説します。自社に最適なプログラムを導入し、次世代のリーダーを効果的に育てるヒントを見つけてください。

 

中小企業が抱える人材育成の課題

企業における人材育成は、大企業に比べて体系的な研修制度が整っていないことが多く、そのため現場のOJTも有効なものになっていないのが現状です。人材育成にかける時間やコストも限られているため、個々のスキルアップはできても、組織全体としての成長が遅れがちになる傾向があります。

特に見落とされがちなのが「ビジョン共有」の問題です。経営者は企業の方向性を思い描いていても、それが現場にまで浸透していないケースが多々あります。その要因の一つが、経営者と社員の間をつなぐ「役員候補・幹部候補(次世代リーダー)」の育成が十分ではないことです。

経営者の考えを現場に伝え、社員の意見を経営に反映させる役割を担う人材が育っていなければ、ビジョンの共有は進みません。

中小企業が成長し続けるためには、経営者のビジョンを受け継ぎ、現場とつなぐミドルマネジメント層の育成が不可欠です。企業の未来を共有し、組織の一体感を生み出せる人材を育てることこそ、今後の中小企業の成長の鍵となるはずです。

 

次世代リーダーの育成が必要な理由

役員候補・幹部候補となる次世代リーダーの育成が必要な理由は、企業の持続的な成長と安定(組織活性化)を促進するためです。理想的な組織活性化を実現するためには、経営者のビジョンを的確に理解し、社員に伝える役割を担う存在が必要です。

そのポジションが不在だと、組織全体の方向性が曖昧になり、社員のモチベーション低下や離職率の増加を招く可能性が高くなります。また、中小企業では事業承継の課題も大きく、持続的な企業経営を行うためにも、次世代リーダーの計画的な育成は必要不可欠だと言えます。

<理想的な組織活性化の状態とは…>
■経営層と社員が経営理念・ビジョンを共有している
■経営理念・ビジョンの達成のために、社員が主体的・自発的に協働している
■社員のモチベーションが高い
■組織内のコミュニケーションが活発である

 

次世代リーダーに必要な要素

中小企業が持続的に成長していくために、次世代リーダーの存在はとても重要です。では、その次世代リーダーにはどんな資質が必要で、どのような育成環境が必要なのでしょうか。

次世代リーダーに必要な資質とは?

次世代リーダーとは、 企業の未来を担う次世代経営者(役員候補・幹部候補)として、経営の安定性や組織の成長を促進する役割を果たします。そのためには、下記のような資質が必要とされています。

【1】ビジョンを持つ
組織の未来像を描き、目標を達成するための戦略や計画を立てることができる能力。

【2】チームをリードする
チームメンバーをマネジメントし、能力を最大限に引き出すことのできる能力。

【3】変革を推進する
新たな取り組みや改革を推進し、新しい価値を創出することができる能力。

【4】リスク管理能力を持つ
組織のリスクを管理し、問題が発生した時には迅速かつ適切に対処できる能力。

【5】学習意欲が高い
組織の環境変化に対応し、新しい知識やスキルを習得し続ける能力。

 

次世代リーダーの育成に必要な3つのポイント

では、上記にあるような資質を磨き、次世代リーダーとして育成していくためには、企業はどのようなことを実践する必要があるのでしょうか。3つのポイントをまとめてみました。

【1】経営教育
次世代リーダーになるためには、経営に関する知識やスキルを身につける必要があります。財務・戦略・人事などの基本的な知識を学び、経営人材を育成する環境・仕組みをつくることが肝心です。

【2】実践的な経験
次世代リーダーになるためには、経営に関連するプロジェクトへ参加し、実践的な経験を積むことが不可欠です。その一歩目として研修等で実践的なワークを行う必要があります。

【3】強みと弱みの理解
次世代リーダーになるためには、フィードバックや評価を受けることで、自身の強み・弱みを認識する必要があります。長所を伸ばし、欠点を補う知識・スキルを身に付けることで、成長を加速させることができます。

 

育成プログラム導入のポイント

次世代リーダーを育成するためには、組織内にその仕組みをつくる必要があります。そこで、実際に育成プログラムを導入していく流れやポイントについてご紹介します。

次世代リーダーの育成フロー

次世代リーダーの育成は、段階的なプロセスを踏むことが重要です。下記の 5つのステップを通じて、計画的な育成を行うようにしましょう。

【STEP 1】ビジョンや次世代リーダー要件等の設定
5年後・10年後の企業の方向性(ビジョン)を明確にし、そのために必要なリーダー像を具体化することが大切です。まずは、次世代リーダーに求められる資質・スキル・年齢・人数等を設定することからスタートしましょう。

【STEP 2】次世代リーダー候補者の特定
要件を設定したら、次世代リーダーになり得る候補者を見つけ出す作業に入ります。すでに一定のリーダーシップを持つ人材や、成長の可能性がある人材を選定しましょう。

【STEP 3】育成プログラムの設計
次世代リーダー候補者のスキルと知識を強化するためのプログラムを設計します。ワークショップ、講義、マンツーマン面談、グループ学習等、企業の課題に応じたプログラムを整えることが大切です。

【STEP 4】育成プログラムの実施
育成プログラムを実施し、次世代リーダーに必要なスキルと知識の習得を推進します。

【STEP 5】フィードバックと評価
育成プログラムの効果を評価し、フィードバックを行います。また、プログラム終了後も定期的に振り返りを行い、学んだスキルが現場で活かされているか確認を行うことや、継続的な階層別研修を取り入れていくことも大切です。

 

次世代リーダー向けの研修プログラム例

具体的な育成プログラムとしては、下記のような研修があります。これらの研修を組み合わせることで、次世代リーダーとして必要なスキルを段階的に身につけることができます 。

次世代リーダーを選抜する際のポイント

次世代リーダーを選抜する際に重要なのは、現在の成果だけを評価するのではなく、「次世代リーダーとしての役割を果たせるか」という視点を持つことが大切です。

現職で優れた成果を上げているからといって、必ずしもリーダーに向いているとは限りません。リーダーには、個人の成果だけでなく、チームを通じて成果を出す能力が求められます。選抜の際には、成果や上司の評価だけでなく、部下や同僚からのフィードバックを活用し、リーダーとしての適性を多角的に判断することが肝心です。

また、候補者に小規模なプロジェクトのリーダーを任せることで、実際のリーダーシップの発揮状況を評価するのも効果的です。先述した次世代リーダーに必要な資質をもとに評価を行い、次世代リーダーにふさわしい人材かどうかを見極めていきましょう。

 

TOMAの役員候補者研修サービスとは

ここまで、中小企業が抱える人材育成の課題を解決する手段として、次世代リーダーの育成プログラムを導入することの意味や導入時のポイントについてご紹介してきました。

ですが、自社に最適なプログラムを見つけ出すのは一筋縄ではいきません。組織の課題や、自社に必要な研修について相談したい場合は、TOMAの役員候補者研修サービスを活用することをおすすめします。

TOMAの役員候補者研修サービスは、経営知識と役員としての視点を養うことができる次世代リーダーに向けた研修サービスです。役員としての自覚や経営判断力を高めることはもちろん、候補者が適任かどうかを事前に判断するためのサポートも行っています。

研修内容は柔軟にカスタマイズすることができるため、企業のニーズに応じた研修プログラムを作成することができます。

 

TOMAの役員候補者研修サービスはこちら

 

研修内容・カリキュラムについて

TOMAの役員候補者研修サービスでは、実務経験豊富な専門家による様々な講義(ワーク)をご用意しています。「リーダーシップ」「経営」「コンプライアンス」「組織」「人事・労務」「財務」など、あらゆる角度から研修を行うことで、次世代リーダーにとって必要な知識・経営感覚を習得することができます 。

 

TOMAの役員候補者研修サービスのポイント

【1】企業のニーズに応じた研修プログラム
企業内でオリジナルの役員候補・幹部候補の育成システムをイチからつくるのは非常に労力がかかりますが、TOMAの役員候補者研修サービスでは企業の課題をヒアリングした上で、必要なプログラムだけを抽出し、最適な研修プログラムを作成することができます。

【2】実務経験豊富な専門家による実践的ワーク
社内で研修の講師を探すケースもありますが、人によって研修内容のクオリティにバラつきが生まれやすく、プログラムをつくるのにも大きな手間がかかります。専門的な知識と豊富な経験を持った講師に依頼することで、企業が求める育成計画を着実に進めることができます。

【3】手間のかかる研修成果の分析や報告もサポート
フィードバックやフォローアップは人材育成において重要なプロセスですが、非常に手間と時間がかかる作業のため、特に人材不足の中小企業にとっては、手が回らないことがほとんどです。TOMAの役員候補者研修サービスでは、研修後の成果分析や経営層への報告までしっかりサポートを行っています。

 

TOMAが支援した事例をご紹介

〇事例① 製造業(社員40名規模)

【実施内容】
役員候補者研修

【対象者】
将来の役員候補者5名

【課題】
事業承継を進めるにあたって、次世代の会社を担う将来の役員候補者に対して、役員として必要な意識や経営感覚を習得してもらい、実践的な経営イメージと未来のゴールを描ける人材に成長してもらいたい。また、チームで同じ研修を受ける事で事業承継後の役員チームを見据えた連携強化を図りたい。

【効果】
研修参加者が、経営に必要な基礎的な知識を獲得することができ、役員候補者としての自覚を持たせることができた。また、参加者が研修の中で考えたことを現経営者にシェアし、対話することで、お互いの考えの確認をすることができた。

研修の中で、参加者同士が自身の得意・不得意分野、会社への想い、将来のビジョンなどを共有することで、相互理解を深めることができた。

 

〇事例② 小売業(社員300名規模)

【実施内容】
・1対1面談研修 (オンライン研修)
・研修後フォローアップ

【対象者】
部長・課長クラスなど計50名

【課題】
管理職と部下とのコミュニケーションに課題を感じていた。管理職の面談スキルの向上、適切な指導・評価によって、部下が成長を実感できる体制をつくりたい。また、継続的な運用フォローによって、この風土を社内に定着させたい。

【効果】
1対1面談研修によって、面談者のレベルアップが図られ、部下との望ましい面談を実現できるようになった。また、研修後のフォローアップを外部にアウトソーシングすることで、社内定着のための最適な運用を行うことができた。

 

まとめ

今回の記事で、中小企業が次世代リーダーを育成する重要性から、実際に次世代リーダーの育成プログラムを実施していく流れまでを理解することができたと思います。企業によって抱えている人材育成の課題は様々ですので、ニーズに応じた育成プログラムを整備していくことが肝心です。

TOMAの役員候補者研修サービスでは、組織の課題をヒアリングした上で、自社にとって最適な研修プログラムを作成することができます。次世代リーダーの育成にお困りの方はぜひご利用ください。個別に「無料相談」も随時実施しております。

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また、具体的な事例やさらに詳細な情報を知りたい方は、無料で参加できる「問題解決型セミナー」をぜひご活用ください。

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著者情報

TOMAコンサルタンツグループ株式会社 取締役専務<br />
ビジネスサポート部 部長 税理士・行政書士

TOMAコンサルタンツグループ株式会社 取締役専務
ビジネスサポート部 部長 税理士・行政書士

陣内 正吾

人材開発・組織開発のみならず、事業承継や税務も含め多くの中堅・中小企業へのコンサルティングサービスを推進。TOMAのビジョン浸透のため2018年に10年後の自社の未来を考える全社プロジェクト「SHIFT TEAM」を発足させるなど、社内の組織改革を率いる。

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