2024年7月3日

採用面接の失敗を防ぐ3ステップ ~専門家のコンサルサービスで離職率改善を図りましょう~

採用

2025年新卒者の採用選考が6月1日に解禁されました。

近年は空前の売り手市場であり、新卒・中途採用に限らず貴重な人材の獲得に多くの企業が動いています。一方で退職代行や配属ガチャといった話題も多くのぼり、採用した人材の定着が難しいといった現状もあるようです。

TOMAでも採用面接に関するコンサルティングを実施していますが、採用に関する相談や、採用サポートに関する相談が多く寄せられます。今回は、退職トラブルを避け定着率を上げるためにどのような採用活動をすべきか、採用面接コンサルティングを実施する専門家の観点から解説します。

近年の就職市場は”採用氷河期”

就職氷河期時代は、募集をかければ多くの入社希望者が集まりました。
しかし現在は募集をかけても人が集まらない、求める能力を有する人材がいない、内定を出しても辞退されてしまう、採用しても3年以内に辞めてしまうなど企業が人を確保することが難しい時代となっています。

まさに”採用氷河期”と言っても過言ではないでしょう。

東京商工会議所が発表した「新卒者の採用・選考活動動向に関する調査」によると、2024年新卒者の採用計画人数に対する2023年12月末時点の充足率が100パーセントである企業はわずか14.5%にとどまっています。

充足率が50パーセント未満の企業が4割を超えるなど、多くの企業が新卒採用に苦戦しています。

 

また、厚生労働省が2024年6月28日に発表した全国の有効求人倍率(2024年5月)は1.24倍となっています。

しかし、職種別に見ると、例えば営業職は2.18倍、接客・給仕のサービス業は2.05倍、介護サービス業は3.29倍、建築・土木・測量技術者は6.00倍と高い傾向にあります。これらの業種では倍率が高いため、企業が採用したくても人が集まりません。

 

 

人材採用でよくある違和感

中小企業は大企業と比較すると、募集広告や採用イベント、人事部門のスタッフなど採用活動にかけられるリソースが限られています。また、ブランド力も大企業と比較すると劣るため、人材を惹きつけることが困難です。

そんな状況下における採用活動では、以下のようなケースが散見されます。

 

計画した人数を採用できない

事業遂行に必要な一定の人数の入社を計画していても、計画通りに採用できないケースがあります。自社にあった人材はどんな性格、キャリアを持っている人なのかを突き詰めることが大切です。

 

 

新入社員のイメージが面接した時と違う

数回の面接で入社希望者の性格や特性を正確に見極めることは困難です。入社希望者が面接の場において面接官に気に入られようと、よそ行きの応対をするのは普通のことです。面接では相手の緊張を解いて、入社希望者の本音を引き出せるような空気作りを心がけましょう。

相手を知るためには自分を知ってもらうことも大切です。近年では、面接の場で面接官が自己紹介をすることもよく行われます。

 

リソースをかけて採用したのにすぐ辞めてしまった

新卒社員の3人に1人が3年以内に離職する時代、苦労して採用した人材が辞めてしまうというのもよく聞く話です。なぜ辞めてしまうのかを検証し改善策を検討することが大切です。もし退職理由が社員と会社のミスマッチであれば、面接の段階でのすり合わせが早期退職を防ぐ手となります。

「とりあえず人が欲しい」という感じで採用すると、結局採用コストばかりが嵩んで人材が定着しない、成長しないといった状況に陥ってしまいます。

 

面接官によって採用する人材に偏りがある

採用する際に柱となる基準がない場合、面接官の好みが強く反映されてしまうケースも少なくありません。採用をすると決めた段階から「どんな人材を採用すべきか」を明確にする、面接評価シートを作成するなどの準備が必要です。

 

新入社員が会社に対する愚痴ばかり言っている

実際に働き始めてから数ヶ月、新入社員が会社に対して前向きに働いていないなと感じることがあるかもしれません。単純に社員の性格が問題というわけではなく、社員が求めていた働き方と会社の実務のミスマッチから不平不満が出ている可能性があります。

これを防ぐには、入社前に入社希望者が経営方針や経営理念を理解できているかを確認することが重要です。

 

 

採用面接を成功させる3ステップ

採用計画通りに人材を採用し、定着率を上げるためには、採用活動を始める段階から、しっかりと準備をすることが大切です。具体的には次の3つのステップがあります。

ステップ1:「採用活動の計画段階」
ステップ2:「採用面接の前段階」
ステップ3:「採用面接から内定を出す段階」

では、一つひとつ見ていきましょう。

ステップ1:採用活動の計画段階

採用活動を始める段階では、「人材育成方針」を立てましょう。「人材育成方針」とは、どのような人を採用し、どのように育成していくかをまとめたものです。

自社の経営理念や会社として目指すところ(ビジョン)にリンクをさせてまとめるとうまくいきます。経営理念やビジョンがない会社は、まずそこから検討していきましょう。

必要なスキル、学力、資格、経験を列挙し、経営理念に合う人物像を形作っていきます。特に、判断があやふやになりがちな性格や特性も具体的にまとめましょう。

募集広告を出す際には、欲しい人物像が具体的であればあるほど、ミスマッチを防ぐことができます。

 

 

ステップ2:採用面接前の準備

「人材育成方針」を作り、採用したい人物要件が明確になればなるほど、会社全体でどのような人を採用したいかの共通認識を持つことが可能です。そして、具体的な人物像が描けていれば、面接で聞くべきことや判断基準が人によってブレることがなくなります。

次に大切なのが、共通の面接シート(面接評定表)を作成しておくことです。

求める人物像に一致しているかどうかを確認するための質問項目を設定すれば、基準を見える化することができます。質問項目は、なるべく詳しく設定することが重要です。

例えば「協調性があるかどうか」と質問する際には、「どのような協調性を求めているか」まで、具体的に設定しておくと良いでしょう。同じ質問に対して誰がどのように答えたかを確認することで、入社希望者を相対的に評価することができます。

より客観的に性格を判断したい時には、適性検査を実施することも有効です。

現在在籍している社員にも同じ試験を受けてもらい、同様の結果が出る入社希望者は自社に合っている可能性が高いといえます。ただし、この検査の結果からすぐに判断するのではなく、「面接で検証すべき項目」として活用すると良いでしょう。

例えば、適性検査の結果、応募者に「自己中心的」な傾向がある場合、「他者との協力について」面接で追加質問しましょう。これにより、自身の特性について、どのように捉えているのか、弱みと感じているのであればどのように補っているのかを確認することができます。

 

ステップ3:採用面接から内定を出す段階

最後に、採用面接から内定を出す段階について解説します。

まず、面接は会社が入社希望者を判断する場であるのと同時に、入社希望者に会社を知ってもらうための場でもあります。一方的に質問をするのではなく、入社希望者に会社の人材育成方針、求める人物像を理解してもらうことで、入社後のミスマッチを防ぐことができるでしょう。

合格か不合格かを判断する入社試験の場ではなく、応募者に対する「キャリア相談+商談」といったイメージで臨むことが理想です。面接では本音を引き出すために、応募者の緊張を解くことも面接官の役目です。

何気ない雑談などで、アイスブレイクを図りましょう。

 

 

採用面接にお困りならTOMAの採用支援サービスがおすすめ

TOMAでは、採用活動に関する悩みにお応えするための採用面接コンサルティングを実施しています。

 

具体的には以下のサポートを実施しています。

・求める人物像の決定

・入社希望者へのアピールポイントの整理

・面接評価シート(面接評定表)の作成

・質問事例の作成

・面接マニュアルの作成

・面接官研修

・人材育成方針の作成     

 

 

丁寧なヒアリングから、お客様の会社の状況に合わせたサポートをご提供します。詳しいサービス内容はこちらからご確認いただけます。

問い合わせや無料相談も受け付けておりますので、こちらからお気軽にご連絡お願い致します。

また、TOMAでは定期的に人材開発に関するメールマガジンを配信しております。こちらもぜひご登録ください。

 

 

著者情報

TOMAコンサルタンツグループ株式会社 取締役専務<br />
ビジネスサポート部 部長 税理士・行政書士

TOMAコンサルタンツグループ株式会社 取締役専務
ビジネスサポート部 部長 税理士・行政書士

陣内 正吾

人材開発・組織開発のみならず、事業承継や税務も含め多くの中堅・中小企業へのコンサルティングサービスを推進。TOMAのビジョン浸透のため2018年に10年後の自社の未来を考える全社プロジェクト「SHIFT TEAM」を発足させるなど、社内の組織改革を率いる。

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