2023年1月18日

令和時代における人材育成のキーワードは「人材開発」。kintoneを使ってスムーズに社員のパフォーマンスを最大化

人材育成

社員の業務効率やパフォーマンスを最大化すること。
これは企業経営にとって至上命題の一つと言えます。

そして、いま、人材を「資本」として捉えその価値を最大限に引き出し、中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方として「人的資本経営」が注目されています。

そのなかで、人材開発の重要性はより高まっているといえるでしょう。

今回のブログでは、人材開発について従来の”人材育成”との違いのほか、実際の取組み事例、効果的な進め方まで徹底解説します。

 

人材開発は、社員個々で違うスキル・パフォーマンスの最大化を図る取り組み

人材開発とは、社員一人ひとりのスキルや能力を高め、パフォーマンス向上を図る取り組みのことです。

新卒一括採用、終身雇用に代表される従来の日本型雇用においては次のような教育・指導の在り方で十分だったかもしれません。

・入社した社員に対しては一律の教育を行い、全員に同じゴールを目指してもらう。
・管理職には自分の経験を伝える指導者としての役割を全うしてもらう。

しかし、昨今では働き方改革やコロナ禍など外部環境の変化により、働き方や個人の価値観が多様化しています。そのため、一人ひとりのスキルや個性に合わせて能力を高める「人材開発」の必要性が高まっています

 

人材育成と人材開発の違い―目指すゴールが違う

社員を一人前に育てるという観点から、一般的には人材育成と人材開発は同じような意味を持ちます。しかし、昨今、人事の場面でこの2つの言葉は異なった概念として使用されることが多くなっています。

人材育成は、職種や役職、入社年数などで対象者を分け、一律のスキル習得を目指します。全員が同じゴールを目指す育成方法と言い換えても良いでしょう。

一方、人材開発は職種や入社年数に関係なく、社員一人ひとりに合わせたゴールを設定します。社員の持つ特性によって、異なるアプローチを選択し、スキルや能力の向上を目指す方法です。

職種や役職に関わらず、自身の成長イメージを描いたり、目指すキャリアを実現するために自発的な学びを促さなければなりません。

そのため、社員自身が成長に必要な要素を選択することが必須となるため、内発的動機づけが重視されます。

 

 

いま、なぜ人材開発が求められているのか?

企業の成長は社員の成長と同義であり、企業が長期的に成長するためには優れた人材と、それを育むシステムが欠かせません。一方で、近年は以下のような課題を抱える企業が増えています。

 

社員が自身の能力向上に消極的である

成功体験がなかったり、挫折経験を持っている場合、自分に自信が持てず能力向上に対してネガティブな考え方を持つ社員は少なくありません。

このような人材に全社員一律の目標を設定しても、途中で諦めてしまうことが考えられます。

人材育成の仕組みはあるがうまく機能していない

企業の歴史が浅く企業風土が醸成していない、経営理念やビジョンが不明確で目指すゴールがわからないなど、仕組みがあってもうまく活かせていないケースがあります。

良い人材の離職が多い、良い人材が採用できない

労働力人口が減少し続ける日本において、人材は大変貴重です。一人ひとりに合わせた目標設定を行い、無理なく働ける環境を用意することが求められます。

 

人材開発は人材の成長を通じて企業価値を創造し、会社が目指す理想を実現するための手段として注目されています。

 

人材開発のメリット・効果-企業価値の向上につながる

人材開発には“人材育成”にはないさまざまなメリットがあります。

(1)個々の人材のモチベーションを向上させることができる

人材開発はそれぞれの人材が個別の目標を持って業務に取り組めるため、仕事への意欲を向上させる効果が期待できます。

(2) 個々の人材の強みを活かした配置や業務内容の検討ができる

保有するスキルや特性に合わせた仕事に集中できるため、業務の効率化が図れます。

(3)個々の人材の業務に必要なスキルを高めることができる

スキルマップなどで業務に必要な能力を細分化することで、段階的にスキルを習得できます。

(4)個人の「貢献」に対する会社からの「報酬」に納得感が得られる

社員の能力を「見える化」できるのも人材開発のメリットです。報酬に対しても企業と社員の間で納得感が得られます。

(5)企業として人材獲得のための競争力を高めることができる

魅力的な職場環境を整えることができれば、より良い人材を獲得しやすくなります。人材開発がうまく機能すれば、個々の人材のパフォーマンスを最大化させ、組織全体の企業価値を向上させることが可能です。

 

 

人材開発の進め方・手順

人材開発は以下の手順に沿って進めていきます。

手順1 経営理念・ビジョンに基づく人材開発の方針・ポリシーを決定
手順2 社員の能力・属性・現場でのスキルを確認
手順3 スキルマップを作成し、それぞれの目標を決定
手順4 OJT、Off-JTによる研修・指導・実践
手順5 「1 on 1」によるフィードバック
手順6 人事評価

これらのプロセスのどこかが欠けていたり、部分最適になってしまうと人材開発はうまく機能しません。

 

人材開発を始める際のポイント

これから人材開発に取り組みたいと思っている企業は、以下の点に注意しながら取り組むと良いでしょう。

 

人材開発の方針・ポリシーを明確にする

まず取り組むべきは、人材開発の方向性となる方針・ポリシーの設定です。

人材開発の方針を決める際には、会社全体の成長戦略やビジョンと結びついているかに注意してください。なぜなら、人材面での戦略や計画は、会社の成長戦略や計画を実現するために存在するからです。

 

現状の人材情報を可視化する

方針・ポリシーが決まったら次に取り組むべきは人材情報の可視化です。

人事戦略や具体的な施策の検討を進めるにあたり、会社の目指す姿と現時点での人材とのギャップを正しく把握(可視化)します。

所属や住所などの従業員基本情報や過去の配属異動履歴、人事評価といった基本情報から上司との面談履歴やスキル・資格の保有状況、研修受講の履歴まで幅広い情報を収集します。

全社員に共有できるHRテックを活用すると効率的にデータを収集することが可能です。

主役は管理職、それを支える経営陣・人事部門

人材開発を成功させるためには、経営陣によって明確化された人材開発の方針・ポリシーのもと、各部門が協力しあうことが必要です。

また、人材情報を可視化し、人材開発の運用の仕組みを作るのは人事部門の役割となります。そして、実際の運用では管理職が人材開発の主役です。

経営、人事部門、管理職で情報をすぐに共有できるシステムや体制を整えることが人材開発を機能させる秘訣となります。そのため、管理職のマネジメント実行をフォローする「管理職サポート」の仕組みを作ることも必要です。

 

人材開発の取り組み事例

大手企業をはじめ、さまざまな企業が人材開発に取り組んでいますが、TOМAコンサルタンツグループでも2019年から本格的に人材開発に取り組んでいます。

TOМAでは2019年にシフトビジョンを策定し、目指すべき会社の理想像を明確に設定しました。

TOМAのシフトビジョン2029
『中小企業の経営を総合的に支援するナンバーワン・オンリーワン企業になる』

次に、職種・役職ごとに求めるスキルを定義。スキルマップに基づき、スキル向上のための研修受講を社員に推進しています。

さらに、上司と部下による1対1面談を実施し、定期的な振り返りの機会を設けています。定期的なサーベイを行うことで、スキル習得の効果測定や離職兆候の観測に取り組んでいます。

これらはあくまで私たちTOМAの事例です。
正解は必ずしも一つとは限りませんので自社に理念・特徴に合わせた人材開発を行なっていくことが大切です。

 

人材開発を加速させる「人事管理アプリパック for kintone」

人材開発は最新のアプリやシステムを駆使し、効率的に進めるのがおすすめです。

TOМAでは人材開発に取り組む企業様のために「人事管理アプリパック for kintone」をご用意しています。

「人事管理アプリパック for kintone」とは、kintone(キントーン)を活用した「評価管理」「面談記録」「スキル管理」「研修管理」「入退社・異動履歴」「従業員基本情報」などの経営・人事部門・現場のマネージャ層に必要な人事管理アプリがワンパックになったサービスです。

必要に応じて、kintoneに精通したTOМAのコンサルタントが丁寧なヒアリングを実施し、あなたの会社に合わせたカスタマイズも行います(別途お見積りとなります)。

例えば、Excelや紙で人事情報を管理すると、情報がバラバラになってしまい処理に手間がかかります。クラウドシステムkintoneで情報を一元管理すれば、どこにいても情報にアクセスすることが可能になります。

このほか、一人ひとりのスキル・面談履歴などを見える化できたり、人事データを集計・グラフ化することも容易なのでデータを有効に活用できます。

kintoneはクラウド上でノンプログラミング開発が可能な点もメリットです。運用中に方針転換があった場合は、システムを自社で改修、拡張が可能です。

『人事管理アプリパック for kintone』は無料のお試し版もご用意しております。
ぜひこちらからダウンロードしてお使いください

※kintone環境がない場合も、ダウンロード後、手順に沿ってkintoneのお試し環境をインストールいただけます。

※ダウンロード後は、以下の4STEPですぐにお使いいただけます。わかりやすいマニュアルもご用意しています。

【1】kintone テンプレートファイルをダウンロード
【2】kintoneシステム管理を開く
【3】ファイルからスペーステンプレートを読み込む
【4】スペースを作成する

※もう少し詳しい情報を知りたい場合は、こちらから詳細な資料をダウンロードください。

今回紹介したブログに関するサービスの詳細はこちら(人材開発・組織開発サービス)になります。

また、TOMAでは定期的に人材開発に関するメールマガジンも配信しております。

こちらもぜひご登録ください。

 

著者情報

TOMAコンサルタンツグループ株式会社 取締役 人材開発コンサルタント

TOMAコンサルタンツグループ株式会社 取締役 人材開発コンサルタント

市丸 純子

2013年TOMAコンサルタンツグループ入社。現在はグループ内の長期ビジョン実現に向けた特別プロジェクトのマネージャーを務め、自社内の組織開発・人材開発に携わる。また、その経験を活かし、「100年企業を創る」をモットーに、多くの中小企業に向けて人材開発コンサルティングを提供している。

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