2025年6月17日

離職率改善へ! 成功する1対1面談のカギは“受ける側”のレベルアップにあり

組織開発

1対1面談(1on1)は、上司と部下の信頼関係を築く大切な場です。
しかし、面談を行う管理職側の時間が限られていることや、社員が増えてきた等の理由から、面談がどうしても形式的になってしまうことも多いと思います。

面談を行う上司や管理職は、話すことを事前に準備するなど、コミュニケーションの取り方を工夫する様々な対策を講じていることでしょう。ただ、さらに効果的な1対1面談を実施するには、面談を受ける側(部下側)のスキルも高める必要があると考えられています。

そこで、今回のブログでは、部下が1対1面談をより効果的に活用するためのスキルと、その重要性について詳しく解説します。

社員が自分の意見を効果的に伝えられるようになり、結果的に社員のエンゲージメント向上や離職率低下に繋がります。ぜひ最後までお読みください。

 

1対1面談(1on1)は「部下のため?」 その目的を再確認しましょう

1対1面談は、単なる業務報告の場ではなく、部下が自身の成長やキャリアについて考え、上司と共有する重要な機会です。これは「部下のための」時間と言っても過言ではありません。

この場を通じて、部下は自身の目標や課題を明確にし、上司からのフィードバックを受けることができます。部下のエンゲージメント向上や、離職率の低下につなげるためにも、まずは、1対1面談の本来の目的を再確認し、部下が積極的に参加できるようにすることが重要です。

 

部下の成長を促すために

部下の成長を促すためには、1対1面談を通じて具体的な成長プランを策定することが重要です。部下が自身のキャリア目標を明確にし、面談を行う上司や管理職がスキル開発の機会を提供することで、部下のモチベーションを高めることにつながります。

具体的には、部下が興味を持っている技術分野に関連する研修やセミナーに参加できるよう支援し、その進捗を1対1面談で定期的に確認します。これにより、個々の成長をサポートし、組織全体のパフォーマンスを向上させることができます。

 

部下と上司の信頼関係の構築と維持

信頼関係を築くためには、定期的な1対1面談を実施し、部下が自由に意見を述べられる環境を整えることが重要です。例えば、毎月1回の1対1面談を実施し、部下が業務上の課題や個人的な悩みを相談できる場を設けると良いでしょう。

このような取り組みを通じて、社員は自分の意見が尊重されていると感じ、エンゲージメントが高まります。結果として、部下と上司の信頼関係が強化され、離職率の低下を図ることができ、組織の安定性が向上します。

 

業務の改善と部下からのフィードバックの重要性

1対1面談におけるフィードバックによって業務の改善点を明確にし、具体的な改善策を提示することは、組織の生産性向上に不可欠です。1対1面談で具体的な業務改善策を話し合い、実行に移すことで、顧客満足度アップにつながります。

また、部下が自分の業務に対するフィードバックを受け取り、改善策を実施することで、社員の業務効率を向上させることができます。

 

1対1面談を受ける部下側の心得

冒頭でお伝えした通り、1対1面談を効果的に活用するためには、受ける側の部下も適切な準備と心構えが必要です。面談を行う上司や管理職は、部下が面談の前にしっかりと事前準備を行うことができるように、部下をサポートしましょう。

例えば、1対1面談で話し合うテーマの選定について、面談を行う上司や管理職が、部下の手助けをすると良いでしょう。上司や管理職が部下をサポートすることにより、上司と部下はそれぞれ、1対1面談における貴重な対話時間を最大限に活用することができます。

また、面談中のコミュニケーションのコツを理解し、上司からのフィードバックを建設的に受け入れる姿勢を持つことが、部下自身の成長と組織全体のパフォーマンス向上につながります。

以下、部下への具体的なサポートの方法について説明します。

 

事前準備の重要性(受ける側も事前準備しよう)

効果的な1対1面談にするためには、1対1面談を受ける側も事前準備が必要です。面談を行う上司や管理職は、面談前に部下の目標や課題を整理し、部下側に具体的な質問や議題の準備を促しましょう。

そのために、面談を行う上司や管理職は、部下に対して1対1面談における対話に必要な情報をガイドラインにして提供することが求められます。面談を行う上司や管理職が保有する1対1面談における対話に必要な情報を、面談前に、部下に共有することで、上司と部下の効果的なコミュニケーションを実現することができます。

事前準備を行うことで、部下は面談に対する自信を持ち、積極的に面談に参加することができるようになります。

 

話すことのテーマと選定

部下が話すテーマを選定する際には、業務の課題やキャリアの方向性に焦点を当てることが重要です。面談を行う上司や管理職は、部下が自身のキャリアビジョンを上司と共有できるように、適切なテーマ選定のための指導やサポートをすることが求められます。

例えば、部下が自身のキャリアビジョンを上司と共有し、面談を行う上司と部下との話し合いにより、具体的なアクションプランを策定すると良いでしょう。組織の成長に伴う文化や価値観の変化にも柔軟に対応でき、部下は組織の一員としての意識を高めることができます。

 

部下にオープンな質問を活用してもらおう

面談中は、オープンな質問(「~についてどう思いますか?」等、自由な回答を促す質問)を活用し、上司と部下の対話を深めることが重要です。面談を行う上司や管理職は、部下がオープンな質問を活用できるように、コミュニケーションスキルの向上を支援することが効果的です。

例えば、TOMAでご支援しているある企業では、部下が面談中にオープンな質問を活用できるように、上司側が、以下のような声掛けをすることで、形式的な面談を避け、実質的な効果を得ています。

<例>
・「どのようにすれば業務を改善できますか」
・「最近の業務で学んだことや気づいたことは何ですか?」
・「今の業務で改善したい点はどこですか」
・「今後のキャリアについて、どんなビジョンを持っていますか」
・「最近のプロジェクトについて、どの部分が特にうまくいったと思いますか」 等

結果として、部下は自分の考えを自由に表現でき、上司との信頼関係を強化することができます。

 

上司からのフィードバックを受け入れる心構えを持たせる

フィードバックを受け入れる心構えを持つことは、部下の成長にとって重要です。面談を行う上司や管理職は、部下に対して、上司からのフィードバックを受け入れるための心構えについて、サポートをすることが大切です。

部下がフィードバックを建設的に受け入れ、改善に向けた具体的なアクションを起こせるようにするためです。上司からのフィードバックを受け入れる心構えを持つことにより、部下は自己改善に向けた具体的なステップを踏み出し、組織全体のエンゲージメントを高めることができます。

 

 

1対1面談を受ける部下側から見た面談の効果

1対1面談は、部下にとって上司と直接対話できる貴重な機会であり、自己成長に向けた対話の場でもあります。この面談を通じて、部下は自身の強みや改善点を明確にし、成長に向けた具体的なアクションプランを策定することができます。

上司と対話できる

1対1面談は、部下が上司と直接対話できる貴重な機会です。例えば、TOMAがご支援しているある企業では、1対1面談を通じて部下が上司と直接意見交換を行い、以下のような業務改善のアイデアを提案することが奨励されています。

<例>
・「社内のコミュニケーションがもっとスムーズになるといいなと思っていて、SlackとかMicrosoft Teamsみたいなツールを試してみるのはどうでしょう?」
・「業務に必要なスキルをもっと伸ばしたいと思っているので、社内研修をもう少し充実させることを考えてみるのはどうですか?」
・「定期的にフィードバックの時間を取ることで、業務の進捗や課題を早めに共有できると思うんです。月に一度くらい、そんな時間を設けるのはどうでしょう?」

個々の声を反映し、組織の一体感を高めることができます。

 

部下が自分自身の成長に向けた対話ができること

面談によって、部下は自己の成長に向けた具体的なステップを上司と共に考えることができます。

例えば、部下が1対1面談で自身の強みや改善点を明確にし、成長に向けた具体的なアクションプランを策定しています。自己の成長に向けた1対1面談を行うことで、組織は “成長痛”を乗り越えるための適応力を養い、部下は組織の変化に柔軟に対応できるようになります。

※“成長痛”…社員が増えることで、個々のコミュニケーションの質が下がる等の状況を指します。

 

部下の「1対1面談を受ける側のスキル」を向上させるために

1対1面談は、組織のパフォーマンス向上と社員のエンゲージメントを高めるための重要なツールです。しかしながら、ここまでお伝えした通り、効果的な面談にするためには、上司のみならず部下にも適切な面談のスキルと準備が求められます。

TOMAでは、1対1面談を受ける部下側のスキルアップを実現することで、面談機会を最大限に活用する「1対1面談コンサルティング」サービスを提供しています。

組織の成長を支援するにあたり、お客様の組織の特性やニーズに合わせてカスタマイズし、具体的な課題解決に向けたサポートを行いますので、ご興味ある方はお問合せください。

 

部下に向けた1対1面談の受け方研修の必要性

多くの組織では、効果的な1対1面談にするために上司側のスキルアップに焦点を当てていますが、ここまでお伝えした通り部下側の受け方も同様に重要です。部下が適切に1対1面談に臨むことで、より深いコミュニケーションが生まれ、双方にとって有意義な時間となります。

部下に向けた1対1面談の受け方研修を通じて、部下が自分の意見を効果的に伝えることが可能になります。また、部下が上司のフィードバックを建設的に受け入れるスキルを身につけることによって、部下の組織に対する満足度が高まり、離職率の低下に寄与します。

 

効果的な1対1面談の受け方研修の内容

効果的な1対1面談の受け方研修のポイントとして、以下に焦点を当てます。まず、事前準備の重要性を理解し、アジェンダに沿った議題を用意すること。次に、「上司からのオープンな質問をいかに上手く活用するか」等、上司との対話を深める方法を学びます。

また、フィードバックを受ける際の心構えや、建設的な意見交換を促進するためのコミュニケーションスキルも重要な要素です。これらのスキルを身につけることで、部下は自らの成長を実感し、組織に対する帰属意識が高まります。

 

 

TOMAの研修サービスで1対1面談を最大限に活用する

TOMAでは、効果的な1対1面談にするための部下向けの「1対1面談の受け方研修」を提供しています。カスタマイズされたプログラムを通じて、部下が自分自身の成長を促進し、組織全体のパフォーマンス向上につながるようサポートします。

無料のカウンセリングサービスを利用して、現在の課題を明確にし、最適な解決策を見つけることができます。ぜひ、TOMAの「1対1面談コンサルティング」サービスを活用して、1対1面談を組織の成長の原動力に変えることや、離職率の低下等を実現しましょう。

下記にて、「面談を受ける側のスキルアップ」を目的とした研修を実施した事例をご紹介していますので、ご興味ある場合は是非ご覧ください。

1対1面談については下記のブログも合わせてご覧ください。

【テンプレートあり】やる意味のない1対1面談はもう終わり!目的・進め方・失敗しないポイントを大公開!

【1on1進行シート】がダウンロードできます! 失敗しない1on1の進め方

1対1面談(1on1)の効果的な進行方法を6つのステップに分けてご紹介!

著者情報

TOMAコンサルタンツグループ株式会社 取締役専務<br />
ビジネスサポート部 部長 税理士・行政書士

TOMAコンサルタンツグループ株式会社 取締役専務
ビジネスサポート部 部長 税理士・行政書士

陣内 正吾

人材開発・組織開発のみならず、事業承継や税務も含め多くの中堅・中小企業へのコンサルティングサービスを推進。TOMAのビジョン浸透のため2018年に10年後の自社の未来を考える全社プロジェクト「SHIFT TEAM」を発足させるなど、社内の組織改革を率いる。

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