ふとしたタイミングで税務調査の連絡が入ったら、あなたは柔軟に対応できますか?
そもそも、どんなときに、どういった方法で事前通知が届くのかをご存じでしょうか?
こちらでは事前通知の基礎知識から、事前通知が来た場合の確認や準備までをご紹介します。
対応の仕方を知っているだけでも、会社が税務調査で不利になるリスクを減らせます。
■事前通知とは
平成23年の改正国税通則法により、国税局は以下の11項目のときに、納税者への事前通知を行うことが決まりました。
●実地調査を行う旨
●質問検査等を行う実地の調査を開始する日時
●調査を行う場所
●調査の目的
●調査の対象となる税目
●調査の対象となる期間
●調査の対象となる帳簿書類その他の物件
●調査の相手方である納税義務者の氏名及び住所又は居所
●調査を行う当該職員の氏名及び所属官署
●調査開始日時又は調査開始場所に関する変更事項
●事前通知以外の事項について非違が疑われることになった場合には、当該事項に関し調査を行うことができる旨
また、調査の日時と場所に関しては、けがや病気などの合理的な理由がある場合に変更が可能です。
さらに事前通知が届いても、税理士と相談したうえで返答を行うことができます。
会社側は即答せずに、税理士と協議をしてから日程を調整しましょう。
■税務調査は事前通知されるのか
すべての税務調査に事前通知が必要になってしまうと、税務職員の証拠収集などに支障をきたすことになります。そのため、事前通知が行われない場合の規定も存在します。
●違法または不当な行為を容易にし、正確な課税標準等または税額等の把握を困難とする恐れがあるとき
●調査の適正な遂行に支障を及ぼす恐れがあるとき
事前通知を行わないケースでは、調査対象者への配慮も大切なのです。
調査の目的などについては、調査官が現場到着後、速やかに説明することになっています。
また、調査対象者は急な対応を強いられるなかで、税理士の立ち会いを求めることができます。
■事前通知はいつ・どんな方法でされるのか
事前通知の時期についても、法令に規定はなく、個々のケースによって異なるのが現状です。
実際には、対象者が調査を受ける準備ができるように、調査当日までの時間的余裕が設けられます。
タイミングとしては、2~3週間前が目安といわれています。
事前通知の方法は、原則として電話による口頭の説明です。
このときにも調査対象者に配慮がなされており、調査官は情報が正確に伝わるように努めています。
もし事前通知が困難と認められる場合は、税務署の判断で書面による事前通知を行います。
ただし、調査対象者からの個別の要望に応じることはありません。
「事前通知の基本は、電話によるやり取りである」という点を覚えておきましょう。
■事前通知が来た場合に確認・準備すべきこと
事前通知が来たら、まず過去5年分の帳簿や書類を確認してください。
◇売上に関する書類
・請求書
・見積書
・受注書の控え
・契約書など
◇仕入や経費に関する書類
・支払い領収書
・請求書
・納品書
・発注書など
◇その他の書類
・法人税の納付書控え
・源泉所得税の納付書控え、源泉徴収簿など
・資産関係の契約書など
調査当日までに、現金残高と現金出納帳の帳簿残高が一致していることまで調べておきましょう。
また税務調査は、事務所まわりや倉庫、工場、店舗といった現場の確認も行われます。
たとえば、現場にある金庫の中身を調べられるかもしれません。
社長もしくは経理担当者のパソコンや机も、いつチェックされてもかまわない状態にしておいてください。
ほかにも、事前通知が来てから税務調査当日に向けて、いくつか準備すべきポイントがあります。
●受注から売上計上までの一連の流れを伝えられるか
●売上値引きなどの項目を、計算根拠も含めて言えるか
●外注費計上といった項目について、正当性のある説明が可能なのか
●製品や取扱い商品などを、きちんと紹介できるか
●特別な事情のある取引については、時間をかけてでも調査官に伝えられるか
やらなければいけないことは数多くありますが、最低限として帳簿や書類、自社の現状を確認しましょう。
■まとめ
税務調査では事前通知される場合もあれば、抜き打ちで行われるケースもあります。
もし急に税務調査が入ったとしても、事情を話せば税理士が立ち会える日程を調整してくれることもあります。
また、事前通知をされてから調査が始まるまでに、ある程度の準備期間を設けてもらえるのも特徴です。
過去5年分の帳簿や書類を見直して、申告内容について第三者にも説明できるようになりましょう。

