税務調査の手法の1つ「反面調査」を聞いたことはありますか?反面調査が行われると、会社関係者に迷惑をかけてしまいます。ここでは、反面調査が一体どんな調査方法なのかを解説いたします。
また、実際に反面調査が行われたときの対応方法もみていきましょう。

反面調査とは
反面調査とは、「税務調査に選ばれた会社と付き合いのある、銀行や取引先に向けて行われる調査」のことです。通常の税務調査では、調査対象である会社の帳簿や書類、現場を確認する程度となります。しかし、それだけでは不正確な情報しか手に入らない場合に、調査員は銀行や取引先といった会社関係者からも情報を集めます。
どのようなやり方で反面調査を行うのかというと、以下の3つが挙げられます。
●文書による問い合わせ
●電話による問い合わせ
●訪問による問い合わせ
本来の調査先で疑わしいと判断された部分が、反面調査の際に重点的に聞かれるのです。
反面調査が行われる理由
反面調査が実施されるのは、調査官が「帳簿や現場の確認だけでは終わるのがむずかしい」「調査をしてみて不自然な点が多い」と判断するからです。
また、調査対象の会社で次のようなケースが起きたときに、反面調査が行われます。
●帳簿の不備があったとき
●調査に対して非協力的な態度であったとき
●脱税の疑いがありそうなとき
帳簿が正しく記載されていない、もしくは過去5年分の帳簿を保管できていないと、反面調査に発展しやすいとされています。非協力的な態度とは、調査官の質問に答えなかったり、感情的な発言を繰り返したり、帳簿の提出に応じなかったりした場合です。もちろん申告内容と調査内容に差異があった場合にも、反面調査が行われる可能性が高くなります。
反面調査は事前に通達されるのか
反面調査は、事前に通知されません。理由としては、通知してしまうと、会社と取引先の間で話を合わせるかもしれないからです。
また、反面調査の実施については、通常の調査が終わってから行われるといった規定はありません。調査官が税務調査を開始して、すぐに銀行や取引先に向かうことも十分あり得ます。さらに調査官は、調査先に反面調査である旨を伝える義務もなく、必要な情報だけを確認します。
このように抜き打ちで行われるため、会社側は反面調査にできるだけ発展させないことが大切です。もし調査官が会社関係者への聞き込みを始めていたら、どのような目的でその調査を行っているのかを確認したほうが良いです。そうすれば申告内容のどこに問題があったのかが判断できて、必要最低限の書類を提示するだけで済むかもしれません。
反面調査は拒否できないのか
反面調査には、質問検査権の行使が認められています。質問検査権とは、帳簿や書類についての確認や質問ができる権利のことです。
質問検査権の目的は「納税者の自発的な納税義務の履行を適正かつ円滑に実現するため」であり、適用範囲には調査対象先以外に銀行や取引先も含まれています。
また、反面調査に従わないと罰則があります。罰則の内容は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金 です。
とても強制力がある調査ですが、どんなことが確認されるのかを調査官に聞いても特に問題ありません。その理由が正当なものでなければ、きっぱりと断って構いません。
もし「取引先であるA社まで来てください」と言われるだけならば、正当な理由がないので従う必要はないでしょう。ただし、「取引先であるA社のパソコンに○月×日の取引データがあります。事実確認を行いたいので、A社に来てください」といった明確な事情があるときに、反面調査に応じなければなりません。
反面調査が入った時に注意するべき点
反面調査が入った時に注意するべき点などを以下にご紹介します。
延期の申し出
反面調査が事前に通知がない事はすでにのべましたが、問い合わせがきたら
直ちに対応しなければならないわけではありません。
会社の事情や経済活動が優先されるため、経営者が不在等のやむを得ない事情があれば
日程を延ばす事が可能です。
調査時に確認した方が良い事
また、調査官が訪問してきたら、所属先や氏名の確認と目的(取引先名や取引内容等)を
確認します。
取引先への連絡
「取引先へ連絡はしないように」と調査官から言われるケースもあるかもしれませんが
強制する権限はありません。
そのため、連絡するかどうかの判断は、取引先との関係性等を鑑みて自社でする事になります。
書類への押印
「聴取書」や「申述書」等の書類に署名を求められる場合があります。
この「聴取書」や「申述書」とは企業と調査官のやり取りを記録したもので
税金を徴収するための証拠となるものです。
押印・書面は任意なので必ずしも応じる必要はありません。
また、内容に納得がいかない場合、内容の修正依頼を出すことも可能です。
税務調査の反面調査に備えておくには?
反面調査を行うのは、調査官が「調査先だけでは情報が不確かである」と判断したからです。原因としては、帳簿の不備や非協力的な態度が挙げられます。反面調査が入ったからといって、必ずしも脱税を疑われているわけではありません。
しかし、会社側がきちんと対応していれば、会社関係者にまで税務調査の範囲が広がらない場合もあります。まずは日々の帳簿管理を徹底して、不備をなくすところから始めてみてください。なかなか帳簿管理まで手が回らない場合は、無理せずに税理士に相談しましょう。
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