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事業譲渡と建設業許可~事業譲渡をする場合、建設業許可はどうなるのか?~

記事作成日2016/06/07 最終更新日2022/06/29

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事業譲渡をする場合、建設業許可はどうなるのか?

建設業許可業者を含む複数の事業者間で、建設業に関する事業の全部譲渡が行われる場合、事業譲渡法人は、建設業許可の要件を維持できる限り、建設業許可を引き継ぎます。では、事業譲受法人は建設業許可を持つことができるでしょうか。

建設業許可の事業譲渡に関する制度の新設

令和2年10月1日から、建設業許可の事業譲渡に関する制度が新設されました。この改正により、事業譲渡を行う場合はあらかじめ事前の認可を受けることで空白期間を生じることなく、事業譲受法人が事業譲渡法人における建設業者としての地位を承継することができるようになりました。

なお、この事前認可においては、事業譲受法人が建設業の許可要件を備えていることが必要です。また、建設業者としての地位を承継するということは、監督処分や経営事項審査の結果についても当然に承継することとなります。

認可手続きの流れ(監督官庁によって異なります)

1 事前相談
2 申請書提出
3 審査
4 認可
5 通知書送付
6 後日提出資料の提出

東京都知事許可の場合、書類の作成相談は、事業譲渡予定日の4か月前から可能です。また申請の受付は事業譲渡予定日の閉庁日を含まない前日の2か月前から、閉庁日を含まない25日前までに行います。

ただし、事業譲受法人及び事業譲渡法人が建設業許可業者である場合、事業譲渡予定日はそれぞれの有効期間が満了する30日前よりも前の日であることを要します。通常の場合、申請書受付後おおよそ25日間の処理期間を要します。

認可申請の条件

東京都で認可申請ができるのは、事業譲受法人及び事業譲渡法人のすべてが東京都知事許可業者であるか、又は建設業を営む営業所が東京都内にのみあるものである場合に限ります。

事業譲受法人及び事業譲渡法人のいずれか一方でも東京都以外の許可を受けた建設業者である場合は、国土交通大臣の認可が必要となります。

引き続き使用できる許可番号について

・建設業許可業者が無許可業者に承継される場合→従前の許可番号が引き継がれます。
・複数の建設業許可業者間で承継が行われる場合→引き継ぐ許可番号の選択が可能です。

事業譲渡予定日以降の決算報告について

事業譲受法人は事業譲渡法人の建設業許可業者としての地位を承継することとなるため、事業譲渡法人の決算報告を提出する義務があります。事業譲渡日時点で事業譲渡法人の未提出の決算報告がある場合は、事業譲受法人がその分の決算報告を提出する必要があります。

専任技術者について

承継される許可業種の専任技術者は、事業譲渡日以降も原則として業種ごとに同一の専任技術者が引き続き常勤する必要があります。事業譲渡日時点で異なる専任技術者を置く場合、事業譲渡日から2週間以内に変更届の提出が必要です。

認可後の許可の有効期間

事業譲渡当日から許可は有効です。許可の有効期間は事業譲渡の日の翌日から5年間となります。

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